高3の夏休みに入ってすぐ、学校の三者面談があった。
そのころにはキクチはもう、来年の春からムスメっこと離れて暮らすことをすっかり受け入れておった。
ムスメっこが希望している薬学部。
しかし6年間か、長えな。
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じぶんが高校生だった30年前は、まだ4年制の大学を女子の世界ではわざわざ「4大」とか言ってて。
「4大に行くとそのぶん嫁に行き遅れる」的な思想も残ってた前近代。
のの、ギリ最後の世代。
そんでよっぽどな才媛も、お茶大とか津田塾とかトンジョポンジョに行くのね。なんだよ女子大かよっていう。
いずれにしろキクチみたいなクソ男とは関わり合いがなさすぎたんだけど。
いずれにしろ隔世の感がパねえな。
じいさんの昔話とか、どうっでもいいな!
しかし6年間は、長えぞw
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ムスメっこの既定路線は、一般受験。
年明けの共通テストを皮切りに。
私立を3、4校受けて。
最後に第一志望の国公立を受ける。
ムスメっこの高校に薬学部で。
「指定校推薦だけど、一般受験もできてもしそこが受かったらそっち行ってもいい」
って学校があるから、まずそこを押さえとく。
ということもなんとなく既定路線的に固まっていた。
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あまつさえ。
三者面談のちょっと前に、キクチは入れ知恵をされていた。
コロナ禍が落ち着いてきて、大阪にお住まいのちまきさんが東京出張ってんでウタゲをごいっしょする機会があって。
「このまま順当に行ったら、ムスメっこは下宿っすよ」こぼしたら。
「薬学部って私立だと学費がクソ高いんなら」
「どうせ一人暮らしって覚悟を決めるんなら」
「関東にしぼらず全国って枠で考えることもできますよね?」
「自宅通いの私立と一人暮らしの国公立なら、トータルの経費はおんなじぐらいだろうし」
おお、たしかにかに!
離れ離れになるんなら、関東でも全国でもいっしょじゃん?
ならいっそのこと、もし名古屋とか大阪ならついでに(どっちがついでかわかんないけど)名古屋や大阪の人とも飲める機会もできるかもしれないし。
北海道とか東北とか四国とか九州ってなったら、別荘できたぜ気分も味わえんじゃね?
ってなった。
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もともとの第一志望は、関東にある国立のポセイドン。
そこで担任の先生がじゃっかんの横槍を入れる。
セレモニー的に。
「ウォリアーズにも薬学部あるけど、それは本当にいいんですね?」
(生々しさを少しでも薄めるために、アメフト部のニックネームにて以下同)
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そこらへんはムスメっこと担任の先生の間で、事前にすり合わせができてたらしい。
その時点の最新の模試で。
ムスメっこは第一志望をウォリアーズって書いてて。
三者面談の前夜、家庭内打ち合わせ的にその模試の結果を見せてもらって。
そこだけムスメっこの気質とは違和感があったので理由を訊いた。
「少なくとも夏までは第一志望にそれを入れろ」っていう担任の先生の指示だそうで。
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もっと言うと。
担任の先生との事前すり合わせで。
学力は関係なく、「ウォリアーズはどうしてもやだ」ってのをプレゼンしたらしい。
(あくまでも「学力は関係なく」な。ここ大事w)
夏まではそこを入れろって言われてたのは。
その学校ではフラッグシップ的な成績なので
学校としてもうまくいけば実績になるわけだし。
高2〜高3の模試の結果が。
前の年だか、前の前の年に。
ウォリアーズの同じ学類?に受かったひととだいたいおんなじ推移だったからっていう理由らしい。
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で、ムスメっこはその事前すり合わせで。
「あたしは研究者になりたいんじゃなく、薬剤師になりたいんです」って。
担任の先生を説き伏せたそうで。
ド文系のクソ父親オブには研究者と薬剤師の違いはよくわかんないが。
ムスメっこ、やるな!
*
あ、コレ。
もう一度いちおういっとくと。
家庭の出来事の記録というより、
ただの露悪趣味日記だからな。
以後もおんなじ感じで。
こんなにつづけるとおもわなかったけど、まだつづくのかよ。