きょうはどうでもいい朝の風景描写なんだけど。
何年も前からすげえ気になってたことをほざく。
出勤するとき、チャリで河川敷を駆ってると。
線路のすぐ手前の野球場でおじさんたちが草野球をやってるのが見える。
ほぼ毎朝。
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メンバーはけっこうな齢。
みんなユニフォームなんて着てなくて。
いわゆる「動きやすいかっこう」、みんなバラバラ。
そんなに毎朝やってるってことは、
カタギ(ふつうの会社員)ではなさそう。
リタイアしたひとたちか、地元の自営業のひとたちか。
そういう妙齢のおじさんたちが、
ユニフォームも着ずに、
打つボールも投げるボールも山なりで、
チンタラやってる。
ように見えた。
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チャリで一瞬通り過ぎるだけだから、
毎朝、見るのは30秒ぐらいなんだけど。
ある日、はたと気づく。
「プレイの精度が、恐ろしく高い!!!!」
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スピードが全然ない。
っていうだけで。
バッターは力まかせな変な空振りはしないし。
ゴロやフライをほとんどまったくエラーしない。
ファーストへの送球もドンピシャ。
一塁手はむつかしいショーバンの送球もうまくさばく。
あまつさえ。
スピードが全然ないだけで、打球は外野へもよく飛ぶ。
バッターが正確にバットの芯でボールをとらえ、
そのままうまくボールをバットに乗せて運んでるんだろう。
そうやって外野に飛んだボールの処理も。
フライはロンのモチ、変なエラーはしないし、
ヒット性の当たりも、中継プレイの野手の動き、送球、すべて正確だ。
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大げさに言えば。
「プロ野球を1/2倍速でやってる」
そんくらいの正確さと緻密さ。
いつしか。
毎朝30秒、それを観られるのが
すごく楽しみになってしまっておる。
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彼らはたぶん若い頃、そうとうちゃんとやってらした方々なんだろう。
スピードがないだけで(クドイw)、打つフォームも投げるフォームもグラブさばきも、ものすごくサマになってるというか基本がちゃんとできてるのが、クソ野球シロートオブキクチにもよおくわかる。
折り目が寸分たがわず重なり合ってて、でいて、ピシッ、シャキッとしている感じ。
畳んだ洗濯物にたとえて言うならば。
ん? なんで洗濯物にたとえた? キクチ。
は、ともかく。
これって、草野球にかぎらず。
なんらかの真髄じゃないかって気がする。
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年齢だけは立派にシニアなのに。
気持ちだけはついつい、
「若い頃とそんなに変わんねーよ!」
「本気出しゃ、もう一花咲かせられるよ!」
キクチはいまでもたまにそういう
すっとこどっこいな想いを描くときがある。
ただ、でも、よしんば「もう一花」だとしても。
その開花は若い頃とおんなじスピードやパワーを求める。
だけがたった一つの正解ではない。
こういうアプローチもあるのだよ。
彼らに毎朝、そんなことを教わってる気がする。
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おんなじグラウンドで毎週土日は。
地元のリトルシニアが朝から晩まで汗を流してるんだが。
ガチで戦ったら、ひょっとしたらけっこういい勝負になるかもしれない。
さすがにそれは夢見すぎかもしんないケド。
「ガチシニア」といっしょにプレイをすることで
リトルシニア君たちが学べることはものすごくあるんじゃなかろうか。
野球のプレイも、野球のプレイ以外も。
つくづくおもう。
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みたいなことを。
たとえば「ジョギング」「マラソン」に置き換えると。
どういうことなんだろうね?