クソ親ばか日記である。
某日。
おしごと帰り。
超絶地元駅の橋の下にある駐輪場にさしかかったら。
「あ、パピン!」
薄暮れの向こうからぶんぶん手を振ってくるJKがいる。
(思春期以降、パパママって言うのが恥ずかしいらしくって)
(ちょっと活用を利かせて「パピン」「マミン」って言うようになった)
(いらねえ情報的には、それに乗じてにょうぼうはムスメっこを「ナニン」って言う。。。)
おお、ななちゃん。どうしたの?
っていうか。
なんでもうこんな顔が見分けつかねえ明るさなのに、パパってわかった?
「いや、なんとなくのオーラで」
*
オーラってなんすかね?
キクチなんか超絶陰キャの薄口オーラヤローだから。
常人ならよしんば、背後に立っていてもまったく気づかれないのに。
それは、まあいい。
*
見ると、ムスメっこ。
駐めてあるじぶんのチャリにまたがり、参考書を広げておる。
どうしたの?(何でここでそうしてんの?)
「いや」
「駅前のモスで勉強してたら、ビミョーなひとに会っちゃって」
ビミョーなひと?
「中学の同級生なんだけど。。。」
*
ムスメっこはフラットな性質なので。
人間関係でこれまで、マイナスなことは聞いたことがない。
中学のテニス部のメンツがベリーハードだったって以外は。
それでも、クソ親にはいちいち言わないだけで。
そりゃ人間、どうしても好き嫌いはあるさ。
でもなんか不自然。
テニス部のベリーハードなひと?
「そうじゃなくって」
*
「同級生でも、ビミョーな距離感のひとっているじゃん?」
「お互い知ってはいるし」
「会えば挨拶はするけど、とくに仲がよかったわけじゃない」
「とりあえずひさしぶりだから『あー!』ってなるけど」
「それ以上の会話が弾まない、みたいな」
「以後沈黙でよけい気まずい、みたいな」
うん。
「その『誰も悪くないのに何となく気まずい』が」
「その子に申し訳ないなあっておもって」
「ジャマしちゃいけないなっておもって」
「ここで来てつづきをやってた」
*
は!?
「だって、こっちも気になっちゃって集中できないじゃん?」
お、おう。
ところでそれで、ななちゃんはここに何分ぐらいいるの?
「1時間ぐらいかな」
そんなん家帰ってやりゃいいじゃんなんだが。
おうちではどうしても。
いっときたりともべんきょうしたくないらしい。
*
まあ、日も暮れてきたし。
こうしてパパも帰ってきたし。
もうさ。いっしょにおうち帰ろう!
「うん! そうだね! いっしょにおうち帰ろ帰ろ!」
*
たぶんまだ思春期の娘 vs 臭い父親
ということを差し引いても。
こんな物腰のJK。
キクチが現役男子高校生で赤の他人だったとしたら。
ぜってーオチるでしょ!
きょうびの男子高校生どもはこれからも永劫。
どうか目が節穴でいてください!!!