何かを始めたり終わらせたりするには、それなりの覚悟とエネルギーが要るもので。
「何かを始めたり終わらせたり」しようとすると、その物事じたいよかむしろ「それにはそれなりの覚悟とエネルギーが要るよなあ」っておもってめんどくさくなって、始めも終わらせもしない。
みたいなことあるじゃないすか。(長え)
あ、ないならないでいいです。
*
こムズかしいことを言おうとしてるんじゃなくて、そのう、エイヤーと飛び込む?飛び移る?のではなく、生活の中になんとなく溶け込んじゃう/溶け込ませちゃうように仕向ければいいのかなっておもった。
ってだけのことで。
たとえば、ジョギングを始めようとしたときとか。
ブログをもうちょっと更新しようと思い立ったときとか。
*
きのうの昼下がり。にょうぼうとスーパーに行ったんっすよ。カレールーを買いに。
店内では基本的ににょうぼうとは別行動なんだが、早めにお会計を済ましてお酒をリュックに詰めていると、視線の端っこのほうに、ちょっとひっかかるものを感じて。
妙齢の人が、膝上7~8センチの紺のスカート、おみ足は黒のストッキングを履いてんのね。
いや、いいんっすよ。
歳とスカートの丈を連関させる必要はないし、そもそも歳とスカートの丈の連関って何だよって話だ。
*
んで、よく見ると。
その人は角刈りっていうか、ごま塩頭の板前ヘアで。
妙齢になると、いるじゃないすか。
おばちゃん/おじちゃん、おばあちゃん/おじいちゃんを超越する人材。
この人も「おじちゃんを超えたおばちゃんなのかな?」っておもったんだけど、どうにも気になってスーパーの袋詰めする台、その人の隣に陣取ってみたらば。
*
「気になる」だけあって、その人はふつうのおじさんで。
「短い紺のスカートと黒いストッキングを履いた、ごくふつうのおじさん」で。
なんでおじさんって言いきるかというと、完全に男性の声と喋り方だったからっていう、心もとないっちゃ心もとない根拠なんだけど。
もっと言うと、奥さんっぽい人といっしょに行動してて、あまつさえその年代特有のそこそこ亭主関白な感じで。
*
BLT?LGBT?的なブログ的にビミョーなことには関心ないし、ヒトサマの趣味趣向のことは基本的にどうでもいいし、ましてよしあしなんて言うつもりはないけど。
まあ、こちとらも昭和平成令和とそれなりに生き抜いてきて世俗的な常識に毒されてるから、スカートとストッキング履いてるおじさんを目撃したら、なんつうか、心躍るじゃないすか。
駐輪場でにょうぼうと合流して、そんとき、そっちのご夫婦もわりと近くにいたから目くばせして「おお、かっけえ!」なんて言い合ったりして。
*
何を言いたいかというと、その溶け込み方ね。
キクチの理想の溶け込み方は。
たぶんにステレオタイプだけど、よしんばそのおじさんがいかにもな喋り方だったり、唇や指先によりソッチを思わすような装飾をしてたり、それこそおじさんと歩いてたりしてるならともかく。
「なーんだ、おじさんがただストッキングとスカート履いてるだけじゃん」って思わせられちゃうような着こなし。
「むしろほかのおじさん(てめえ含む)は何でストッキングとスカート履いてねえんだ?」って自問しちゃうぐらいのナチュラル風。
そんなの、街の風景にもぼくたちあたしたちの心にも溶け込むに決まってるし。
でいて、おじさんはぼくたちあたしたちの心にこのように、それなりの爪痕は残してるっていう。
(この案件に関して、いちばんすげえのはおじさんの奥さんなのかもしれないけど、措きまするね)
*
少なくとも、使うか使わないかもわかんないガーミンを数万も出して買うようなことじゃないかもね、と。
必要あんのかどうかわかんないけどとりあえず。 pic.twitter.com/D6OaY6FKDL
— キクチヒロシ (@rFsPIZFyucNM3Z2) 2020年5月31日
でも、何かを動かせば全体が動き出すってことも、なくはないよね、と。