二週間ぐらい前に。
学生時代のパイセンとサシノミをカマした。
場所は、武蔵小杉。
(武蔵小杉ってなんか街として
台風で色がついちゃった感じがするけど
これを書いたのはサシノミの直後なのだ。
いらねえ情報)
*
マラソン関連のひととウタゲをカマす
「ホルモン会」ってのがあって。
最近の主戦場がまさに武蔵小杉なんだが。
そのパイセンがいま小杉に住んでて。
ホルモン会をカマすたびに
「パイセン、元気してるかなあ」
おもってたぐらいのゴブサタぶり。
*
パイセンは1コ上。
キクチが所属してたテニスサークル。
1コ上の代ってある意味、黄金世代で。
テニスはむちゃくちゃ弱い代だったけど。
男性は、なんていうか
キクチがいままで出会ってきたひとのなかで
クソおもしろいひとランキングをしたとすれば
「トップ10にのきなみランクインする」
ぐらいの豪華メンバーで。
女性は、なんていうか
街をすれちがったら「うおっ!」
っておもわず振り向くていどのチャンネー。
が、やたらそろってる代。
*
たとえば。
母校のオワコンFラン学校は
駅から20秒で校門って学校なんだけど。
2年生のときだったかな。
教室に入ったら、なんかざわついてて。
のち広告代理店に就職した
クラスのお調子者が近寄ってきて、言う。
超絶陰キャで超絶人見知りなキクチに、言う。
「さっき、おめえキクチよお
マジ、信じられねえぐらいのビジョと
あるいてなかった? なんだよアレ?」
???
ってなりますよね。
(お調子者の語り口の
マルコリーニなてい、はフィクションだな)
*
しかしして、おもいかえしますれば。
駅の改札を出たとこで
1コ上のパイセンの一人と出くわして
ふつうに話しながら校舎のほうまであるいてきた。
ってだけのことで。
そのころには。
モテないこと山の如しなキクチでも
超絶ビジョぞろいな1コ上の代の女性が
ふつうの風景としてこなれてきてたころで。
クラスのお調子者にそんなこと言われて
あらためて、その代のビジョ度の
とんでもないレベルの高さを思い知った。
みたいなことがあって。
*
そのサシノミしたパイセンってのも。
絵に描いたようなザ・秋田美人で。
キクチは学生時代、ウタゲをカマすと
一人で帰るのがさびしくて
やたらとひとを連れて帰宅したがる。
という迷惑千万な癖があったんだが。
いや、エロい意味など皆無に。
*
一人暮らしのそのパイセンは
いわば、最大の被害者で。
複数人でおれん家に泊まったこともあったし
よしんば、サシで泊まったことも
何度もあって。
いまからおもえば、その絶好のチャンス?
なんかこうGeorge的なこと
なかったのかよ、ぐらいおもうけど。
恐れ多すぎて、そういう対象にはなりえず。
けっきょく、指一本触れぬまま
ときには、朝まで飲み明かし
ときには、朝まで悩みをぶつけあった。
あ、悩みを一方的にぶつけてたのはおれだな。
*
話の先がみえねえな、コレ。
いいのいいの、ただの日記だから。
*
で、そんなんだから、おれは。
学生のころから、1コ上の代のなかでも
もともとそのパイセンがすげえ大すきで。
1年生の夏合宿で、同級生と
「2女(2年生の女性)で誰派?」
的な話になって。
おれと、のちに部長をやったゴリさんが
だんぜん、そのパイセン派で。
ゴリ部長とは。
ライバル関係としていがみあうどころか
「そうだよな、キクチ、わかってるよな」
「ゴリ部長も、さすがだなあ」
って、同志みつけたり!
って感じで意気投合した。
そのパイセンはふつうにカレシがいたので
「あああ、早くあいつと別れねえかなあ」
とかね。ずんの飯尾みたいな感じで。
*
まだ、話が見えねえな。
*
そのパイセンとの関係性は
学校をおりてからのほうが
むしろつおくなって。
その代表例をあげると。
卒業してから2年ぐらい経って
にょうぼうとおつきあいする(らしい)
ことになったとき。
おれはあまりにも有頂天すぎて
まずソッコーでそのパイセンに報告した。
なお、その報告の場。
品川の居酒屋。
20世紀の終わりごろ。
パイセン「キクチと付き合ってんだって?」
にょ「え、そうなんですか!?」
おれの勘違いだったくせえぇ。。。
っていうね。
*
今回のウタゲで判明したのは。
その品川での一件の数日後。
(のちの)にょうぼうが
パイセンにメールしたらしくって。
「あそこではなんかすげえビビったケド
この数日、いろいろ考えてみて
ちょっとキクチとつきあってやろうかなって
おもえてきました」と言ってたらしいこと。
*
なので、パイセンがいなければ
にょうぼうとつきあうことはなかったわけで。
(ななちゃんも生まれてなかったわけで)
おれみたいな無モテ・クソキモ人間は
にょうぼうと結婚できなければ
たぶん、いまでもひとりだったので。
パイセンには頭があがらねえし。
よしんば、パイセンに指の一本も触れたかった。
*
。。。
*
で、何が言いたいかというと。
こないだ、パイセンとウタゲをカマして
「あ、いいな」っておもったのは
「いまのぼくたちあたしたちのことを話す」
ってのが、おのずとウタゲのメインだった
ってことで。
*
「同窓会あるある」っていうか。
あるじゃないすか。
若いころに出会った人と再会すっと
当時の思い出話に終始する現象。
*
たしかにかに。
ひさびさに昔の話をすると
当時にフラッシュバックしたりして
すげえ楽しい。
裏返すと。
いま、それぞれ違う世界で生きてて
共有できるネタがないからしようがない。
んだが。
同窓会って、キホン、
途中からすっげえつまんなくなって。
あんなにうきうきした気分で
フラッシュバックしてたのに。
もういいよって、なる。
*
とか。
同窓会がおもしろすぎて
二週間後に、もっと少数で集まったら
おもってたよか、クソつまんねえ。
的な。
*
それっていうのは。
「いまのじぶんの人生」と
まったく切り離されてるわけで。
ノスタルジーに浸る後ろ向きなじぶんに
じきに、疑問を抱き出すからで。
「けっきょく、むかしの思い出」って、
「いま」になんにもつながらないし
彼らと「いま」の話でつながることはできない。
っていう、諦念みたいなもんで。
*
とはいえ、同窓会って
基本的には楽しいもんだから。
その「楽しい」を真空パックするには
半年とか1年とか2年に1回
ぐらいの頻度で、ちょうどいい。
もんじゃないすか。
*
で、この日のサシノミ。
話の中心が「いま」だったのね。
それが楽しさを増幅させたとおもう。
「いまの」仕事や生活の悩みとか
仲間たちの「現在」とか
「最近」楽しかったこと
だったりすんだけど。
(長時間話してたのでロンのモチ
むかしの思い出話も出てくんだけど。)
「いま」をともに生きてるっていうか。
ともには、生きてねえな。
場所もフィールドもまったく違うし。
*
でも、パイセンはいまのパイセンの話をし、
おれはいまのおれのクソ人生についてほざく。
そのブランクを、
長年の腐れ縁的な間柄の空気?
が、自然に埋める。
っていう、空気作りをなさるパイセンが
ああ、やっぱりこのひといいなあ
おもった。
おもいましたとさ。
*
たとえば、ですね。
SNSでつながってるってのもあって
パイセンはおれの近況もご存知で。
「今年はマラソン、なに走るの?」
とか、言う。
「ななちゃん、大きくなったねえ」
とか、言う。
「キクチがすごくすきないっちさんって
どんなひとなの?」
とまで、言うw
そこでおれは調子に乗って。
パイセンとは一面識もないはずの
いっちさんについて、滔々と語る。
「一度も二日酔いをしたことがない」
と豪語する、酒豪パイセンが
酒豪いっちさんに、興味しんしんw
そういう、いまを生きてる感。
カルペディエム。
*
。。。
*
パイセンと初めて会ったのは
まだおれがかろうじて10代のときだったから
いま齢45的には。
「もう人生のはんぶん以上、
パイセンと知り合い」
ってことに、なる。
「あそこから、こっちかあ」
パイセンが言う。
「人生であそこからこっちのが
もう長くなっちゃったんですねえ」
キクチが言う。
「あの品川のときキクチ
マジ、パニクってたよね」言う。
そうなんだよなあ、おもう。
「齢を重ねる」ののこういう部分って
得がたい、とうとい、ものだ。
悪くない。
つくづくおもう。
おれも新しい目標、みつけなきゃ。
*
パイセンは、かわらずビジョだ。
「かわらず」ってなんだよって話だな。
変な物言いをすると。
学生時代のパイセンもすきだったけど
おれは、いまのパイセンのほうがすきなので。
これからもクソ・キクチごときと
たまにでも飲んでくれたら、
マジこの人生、めっけもんだし。
そろそろパイセンに
指一本ぐらい、触れたいw