キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

(これは、とっても悪い例です)

台風が、ものすげえスケールでもって
関東を直撃すんぞ。

夜から夜中にかけてピークという土曜は。
朝から、ラジオもテレビもネットも
そればっかしでビビりはじめたが。

まだなんつうか、こんな言い方アレだが
反面ちょっと、ワクワクしてもいた。

あの台風の日の気持ちのたかぶりって
いったい、どういう機微なんだろうね?

以下、ザ・日記として。
台風の日のことを日記しとく。
(日本語ぇ。。。)

これは、とっても悪い例だ。

土曜は朝から、
スマホの警戒音が鳴り続けてた。

超絶ビッグシティの隣接、
世田谷区、調布市、川崎市。
ぞくぞくと、避難勧告。

そのたびに心がざわざわした。

でも、超絶ビッグシティはなぜか
そういうのが入らなかった。

16時前になってようやく
狛江分も入った。

そしたら、やにわに。
うちの家族も実際的に焦り出した。

水とか食品とかの準備は
前日までにしてあったものの
どこか他人事な「有事に備える」ていで。

伯母(母の姉)が遊びに来てたので
まずはその老人どもを急かして
ムスメっこの中学へ送り出し。

「うちにおいで」
ムスメっこのおともだちのお母さん
(川からだいぶ離れたマンション)
がメールをくだすったので、
にょうぼうとムスメっこは
そのおうちに行くことになった。

おれはキプチョゲのなんちゃらチャレンジ
を見届けたあと、

「これはかなり現実的に」
「床上浸水以上にはなるな」
おもって。

1階にある、大切なものや
持ち運べる程度の電化製品
あるいは、もしガチで床上浸水したら
あとで片づけるのがめんどくさそうな
敷物や古新聞を2階に持ってゆき

折を見て中学校の体育館へ
行こうかなとおもってた。

なお、キプチョゲ。
けっこう釘付けになってたつもりなのに
あんま内容をおぼえてない。

たぶん、キクチなりに
オーストリアのキプチョゲのチャンスよか
いまここに在るキクチョゲのピンチで
胸がいっぱいだったんだろう。

しかしして。
ひととおり、おうち片づけが済む。

家じゅうのシャッター(雨戸)を閉め、
ガラスが飛散しないように
カーテンを引く。

と、おうちの中はやけに静かになった。

風雨の音も、自治体の放送も
(スピーカーから流れてくる的な)
ほどよく遮断される。

テレビのニュースは流しっぱなしにしてたが
「多摩川がどんだけ増水してきた」
「いつあふれてもおかしくない」
「ほらもう実際、少しあふれ出してる」
的なことを未曽有だ未曽有だって形容詞つきで
ずっと言ってるばっかりで。

たしかにそれも大事な情報だが。

たとえば、おしごとで。
ものすごく急がなきゃいけない案件で
横で「早く!早く!急いで!」言われても

「だー、そんなんわかっとるわ!」
って、集中できなくて
いちいち聞いてたらかえって遅くなるな
ってんで、遮断する
みたいなときってあるじゃないすか。

あるいは。
「『大至急』ってメールが3度来たら
もうそれはその人のクセってことにして
開き直って、後回しにしちゃう」
みたいな。

あ、後者のたとえはちがうな。
ぜんぜん。

そんくらい、なんつうか
実際にすげえ危機なんだろうけど
危機危機危機危機、あおられすぎて

「命を最優先にした行動をとってください」
とかね。

そんなネガティブ方面にビビらせなくても
そんなん、よおくわかってるから。
もっと具体的なこととか
安心させるじゃないけど、少しは
こっちを落ち着かせるようなこと
言ってくださいよ。

なんて、テレビを逆恨みして。
いたたまれなくなってミュートした。

ってんで。

ネットで、川の様子のリアルタイム画像
(1.5k上流の最寄駅と4k下流のやつ)
(10分ごとに更新される)と。

天気予報アプリだけをチェックして。

じぶんのおうちなのに、
雨戸とか閉め切って一人きり
っていう非日常空間にアタマがおかしくなり

スクールウォーズを見始める。

そうこうしてるうちに。
風がすんごくつおくなってきたので

「いまは家にいるほうが安全だ」

っておもって、ずっとおうちのなかにいた。

2階に籠城しといて
いざとなったら屋根に上るか、丘へ逃げる
的な覚悟でもって。

雨風の峠をこえたころ
川の様子を見に行ってみた。

「あふれそうだったら避難しよう」
ってんで。

そしたら、まだ3mぐらいよゆうがあって
「たぶんあふれないだろう」
「これからあふれたとしても
床上ぐらいまでだから籠城してりゃいい」

判断して、おうちにもどった。

けっきょく、川の水はあふれなかったし
もろもろ、何の被害も受けなかった。

老婆ズは翌朝早く、家に戻ってきたし
にょうぼうとムスメっこも
昼前にはふつうに戻ってきた。

めでたしめでたし。

。。。

めでたし、じゃねえ。
この日のおれの行動はすべてダメなんだ。

「いいから早く避難しろ」だし
「スクールウォーズみてんじゃねーよ」だし
「若いころの岡田奈々、マジかわいい」だし
「川の様子なんか見に行ってんじゃねーよ」
だ。

川があふれてきそうなら逃げる?

もし堤防が決壊して鉄砲水みたいのきたら
逃げ切れるわけねえし
ガチでオダブツ待ったなしだろうし

2階に避難するったって
家ごと持ってかれたら太平洋へGOだ。

よしんば家が流されなかったとしても
ベランダとか屋根から救助されたりして
何らかに大迷惑をかけるじゃねえか。

こういう水害のとき、テレビで
自衛隊のヘリで救助されてる様子が映る。

それは、突然すぎたからとか
身体の自由がきかなくて避難できなかったとか
いろんな事情があんだろう。

でも今回、おれがそういう状況になってたら
それは10割10分10厘
キクチの責任だ。

今回はたまたま、ラッキーだっただけ。

なんだけどね。正直、いっしゅん

「まだ家のローン10年ちょい残ってるし。
もしこれで家が全壊してローンだけ残って
そこに新しい住居費とか
生活を立て直す費とかが上乗せしてきたら
死んじゃって保険でローンがチャラになるほうが
いくらかマシかもしれないな」

そういう思考回路になった。
むろん、ダメダメである。

「もし次、おんなじようになったら
ぜんぶ逆をやればいい。」
ってことだけが、今回の教訓。

。。。

わが家も家族もおれも
幸い、何の被害もなかった。

でも2軒隣の家の前の道路は
すげえ汚泥で埋め尽くされてたし。

50mぐらい内陸側の家は
見た目平地だけどじゃっかん
起伏があったからかもしれないが
泥水が床上浸水しちゃって
大変そうだった。

超絶豪邸から200mぐらい上流側。
ムスメっこのおともだちの家の
前の道路は、これもゆるい下り坂の下
だからなんだろう。

こんなことになってて。

今朝の通勤。
川沿いを駅まであるいてったら。
いつも地元のリトルリーグが練習してる
河川敷の野球場は、こういう。

こういう。

内野は土、外野は芝で
よく整備されてるグラウンドが
特に2枚目の線路沿いのほうなんか、
跡形もなく、すべて河原の石が覆っておる。

あああって、おもった。

それでも、陽はのぼる。
新しい朝はかならずくるんだね。
希望の朝。