台風が、ものすげえスケールでもって
関東を直撃すんぞ。
夜から夜中にかけてピークという土曜は。
朝から、ラジオもテレビもネットも
そればっかしでビビりはじめたが。
まだなんつうか、こんな言い方アレだが
反面ちょっと、ワクワクしてもいた。
あの台風の日の気持ちのたかぶりって
いったい、どういう機微なんだろうね?
*
以下、ザ・日記として。
台風の日のことを日記しとく。
(日本語ぇ。。。)
これは、とっても悪い例だ。
*
土曜は朝から、
スマホの警戒音が鳴り続けてた。
超絶ビッグシティの隣接、
世田谷区、調布市、川崎市。
ぞくぞくと、避難勧告。
そのたびに心がざわざわした。
でも、超絶ビッグシティはなぜか
そういうのが入らなかった。
16時前になってようやく
狛江分も入った。
そしたら、やにわに。
うちの家族も実際的に焦り出した。
水とか食品とかの準備は
前日までにしてあったものの
どこか他人事な「有事に備える」ていで。
*
伯母(母の姉)が遊びに来てたので
まずはその老人どもを急かして
ムスメっこの中学へ送り出し。
「うちにおいで」
ムスメっこのおともだちのお母さん
(川からだいぶ離れたマンション)
がメールをくだすったので、
にょうぼうとムスメっこは
そのおうちに行くことになった。
とりあえず老人を避難所へ。おんなこどもをおともだちの家へ。
— キクチヒロシ (@rFsPIZFyucNM3Z2) 2019年10月12日
*
おれはキプチョゲのなんちゃらチャレンジ
を見届けたあと、
「これはかなり現実的に」
「床上浸水以上にはなるな」
おもって。
1階にある、大切なものや
持ち運べる程度の電化製品
あるいは、もしガチで床上浸水したら
あとで片づけるのがめんどくさそうな
敷物や古新聞を2階に持ってゆき
折を見て中学校の体育館へ
行こうかなとおもってた。
*
なお、キプチョゲ。
けっこう釘付けになってたつもりなのに
あんま内容をおぼえてない。
たぶん、キクチなりに
オーストリアのキプチョゲのチャンスよか
いまここに在るキクチョゲのピンチで
胸がいっぱいだったんだろう。
*
しかしして。
ひととおり、おうち片づけが済む。
家じゅうのシャッター(雨戸)を閉め、
ガラスが飛散しないように
カーテンを引く。
と、おうちの中はやけに静かになった。
風雨の音も、自治体の放送も
(スピーカーから流れてくる的な)
ほどよく遮断される。
*
テレビのニュースは流しっぱなしにしてたが
「多摩川がどんだけ増水してきた」
「いつあふれてもおかしくない」
「ほらもう実際、少しあふれ出してる」
的なことを未曽有だ未曽有だって形容詞つきで
ずっと言ってるばっかりで。
たしかにそれも大事な情報だが。
たとえば、おしごとで。
ものすごく急がなきゃいけない案件で
横で「早く!早く!急いで!」言われても
「だー、そんなんわかっとるわ!」
って、集中できなくて
いちいち聞いてたらかえって遅くなるな
ってんで、遮断する
みたいなときってあるじゃないすか。
あるいは。
「『大至急』ってメールが3度来たら
もうそれはその人のクセってことにして
開き直って、後回しにしちゃう」
みたいな。
あ、後者のたとえはちがうな。
ぜんぜん。
*
そんくらい、なんつうか
実際にすげえ危機なんだろうけど
危機危機危機危機、あおられすぎて
「命を最優先にした行動をとってください」
とかね。
そんなネガティブ方面にビビらせなくても
そんなん、よおくわかってるから。
もっと具体的なこととか
安心させるじゃないけど、少しは
こっちを落ち着かせるようなこと
言ってくださいよ。
なんて、テレビを逆恨みして。
いたたまれなくなってミュートした。
*
ってんで。
ネットで、川の様子のリアルタイム画像
(1.5k上流の最寄駅と4k下流のやつ)
(10分ごとに更新される)と。
天気予報アプリだけをチェックして。
じぶんのおうちなのに、
雨戸とか閉め切って一人きり
っていう非日常空間にアタマがおかしくなり
スクールウォーズを見始める。
ぐう絶世の美女。 pic.twitter.com/uw0P0PmOwk
— キクチヒロシ (@rFsPIZFyucNM3Z2) 2019年10月12日
*
そうこうしてるうちに。
風がすんごくつおくなってきたので
「いまは家にいるほうが安全だ」
っておもって、ずっとおうちのなかにいた。
2階に籠城しといて
いざとなったら屋根に上るか、丘へ逃げる
的な覚悟でもって。
*
雨風の峠をこえたころ
川の様子を見に行ってみた。
「あふれそうだったら避難しよう」
ってんで。
そしたら、まだ3mぐらいよゆうがあって
「たぶんあふれないだろう」
「これからあふれたとしても
床上ぐらいまでだから籠城してりゃいい」
判断して、おうちにもどった。
*
けっきょく、川の水はあふれなかったし
もろもろ、何の被害も受けなかった。
老婆ズは翌朝早く、家に戻ってきたし
にょうぼうとムスメっこも
昼前にはふつうに戻ってきた。
めでたしめでたし。
*
。。。
*
めでたし、じゃねえ。
この日のおれの行動はすべてダメなんだ。
「いいから早く避難しろ」だし
「スクールウォーズみてんじゃねーよ」だし
「若いころの岡田奈々、マジかわいい」だし
「川の様子なんか見に行ってんじゃねーよ」
だ。
*
川があふれてきそうなら逃げる?
もし堤防が決壊して鉄砲水みたいのきたら
逃げ切れるわけねえし
ガチでオダブツ待ったなしだろうし
2階に避難するったって
家ごと持ってかれたら太平洋へGOだ。
よしんば家が流されなかったとしても
ベランダとか屋根から救助されたりして
何らかに大迷惑をかけるじゃねえか。
*
こういう水害のとき、テレビで
自衛隊のヘリで救助されてる様子が映る。
それは、突然すぎたからとか
身体の自由がきかなくて避難できなかったとか
いろんな事情があんだろう。
でも今回、おれがそういう状況になってたら
それは10割10分10厘
キクチの責任だ。
今回はたまたま、ラッキーだっただけ。
*
なんだけどね。正直、いっしゅん
「まだ家のローン10年ちょい残ってるし。
もしこれで家が全壊してローンだけ残って
そこに新しい住居費とか
生活を立て直す費とかが上乗せしてきたら
死んじゃって保険でローンがチャラになるほうが
いくらかマシかもしれないな」
そういう思考回路になった。
むろん、ダメダメである。
「もし次、おんなじようになったら
ぜんぶ逆をやればいい。」
ってことだけが、今回の教訓。
*
。。。
*
わが家も家族もおれも
幸い、何の被害もなかった。
でも2軒隣の家の前の道路は
すげえ汚泥で埋め尽くされてたし。
50mぐらい内陸側の家は
見た目平地だけどじゃっかん
起伏があったからかもしれないが
泥水が床上浸水しちゃって
大変そうだった。
超絶豪邸から200mぐらい上流側。
ムスメっこのおともだちの家の
前の道路は、これもゆるい下り坂の下
だからなんだろう。
こんなことになってて。
今朝の通勤。
川沿いを駅まであるいてったら。
いつも地元のリトルリーグが練習してる
河川敷の野球場は、こういう。
こういう。
内野は土、外野は芝で
よく整備されてるグラウンドが
特に2枚目の線路沿いのほうなんか、
跡形もなく、すべて河原の石が覆っておる。
あああって、おもった。
*
それでも、陽はのぼる。
新しい朝はかならずくるんだね。
希望の朝。