キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

カネヤンがグレートすぎるとおもう理由(前エントリーのつづき)

マンガ『巨人の星』で
金田正一投手(カネヤン)の
占める位置は大きくって。

物語的には
主人公の星飛雄馬が、かの
大リーグボールを編み出す
そのきっかけを与えたのは、カネヤンで。

キクチはカネヤンの現役時代も
『巨人の星』もリアルタイムではないが

そんなナウなヤングなんだが。

週刊連載の少年マガジン。
その1話まるまる、カネヤンの引退
について語っちゃうところに

当時の球界において、
あるいは『巨人の星』において、
カネヤンがどんだけグレートだったか
が、このうえなく雄弁に語られとる。

あ、ひとつ気づいたんだけど。
正しい?表記は「カネやん」らしいね。

でも、前エントリーもオールカタカナだったので
「カネヤン」でつづける。

なんか、むかしの世界的な指揮者っぽいじゃん?
なんか、ウルトラQに出てきそうじゃん?
なんか、毛生え薬っぽくもあるじゃん?

どうっでも、いいな。

さらにひとつ、脇道にそれる。

上記、このシーン。

(「球質が致命的に軽い」
という事実に直面して行きづまった飛雄馬が
カネヤンにカーブを教えてもらいにいく)

(のに対する、カネヤンの返答)

(これをきっかけに、
巨人の星の代名詞「大リーグボール」
が生まれることになる)

バブルのころ「テレビ探偵団」って
番組があったじゃないすか。

ゲストとともに
むかしのテレビ番組をふり返るやつ。
三宅裕司とか山瀬まみとか泉麻人が出てたよね。

あるとき、ゲストがカネヤンで。
アニメのこのシーンはロンのモチ、
まったくのフィクションなんだけど。

「もしモノホンのカネヤンだったら
飛雄馬に何て言う?」

ってことになって。
アニメの動画(音なし)に合わせて
カネヤンが何か言ってくださいよ
って、なった。

記憶があいまいだから
まったく正確かわかんないが。

カネヤンは、アニメのこのセリフの
喋ってる尺をはるかに超えて
あたかもガチで飛雄馬が後輩の投手
で、あるかのように。

専門的なアドバイスをしてるのね。
滔々と。

その本職の熱さと
エンターテインメントでそれ出ちゃう?
ってギャップで、番組は盛り上がった。

ツッコミどころ満載、って感じで。

んだけど、それって
カネヤンの野球やピッチャーや投球や野球界
への真摯さや情熱がすげえ伝わってきて

裏っ返すと幼な心に
「カネヤン、(よくわかんねえけど)
この梅酒のオジサン、すげえ」
おもったおもいましたとさ。

は、措いても。

あ、今回のカネヤンの訃報に触れて。

ネットニュースにもよく出てきたエピソード。
フィクションのなかのノンフィクション。

(ヒジがまっすぐ伸びない)

そんだけ、ピッチャーとして燃焼し尽くした。
梶原一騎的にいえば
「真っ白な灰になった」(あしたのジョー)
ってことで。

ちなみに、この直後のコマで飛雄馬は
「これぞ黄金の左腕だ!」叫ぶ。

このへんの梶原一騎のバランスとか、もうね。

。。。

さて。
こっから独りよがりな本題に入る。

カネヤンが残した記録は
まさに「不世出の大投手」というに
あたいするもの。

○400勝
○945試合登板
○4490奪三振(5526回2/3投球)
○現役生活20年間

いずれも、超絶すごい。
勝ち星と奪三振は日本記録。
登板試合数は歴代2位。

たとえば単純に「400勝」って
20年連続で20勝してやっと届く記録。

(なお、今年の最多勝はセパとも15勝)
(なお、カネヤンは14年連続20勝以上
っていう記録のホルダーでもある)

(いや、だから現代がどうのって
言いたいわけじゃなく。な)

むかしはいまとシステムが違って。
エース級のピッチャーは
まさに大黒柱として酷使されまくって。

中3日で先発完投があたりまえ、なうえ
先発しない試合でもリードしてたら
後ろの3〜4イニングをリリーフしたり。

ダブルヘッダーに2試合とも先発完投したり。

まあ、ひどい時代で。

「権藤、権藤、雨、権藤」
って言われたぐらい酷使された
中日の権藤投手は。

ガチで酷使されすぎて2年か3年でつぶれた。
1年目35勝、2年目30勝、3勝目10勝。

ベイスターズが優勝した時の監督、ね。
だからこそ(?)
自身がコーチ・監督になったとき
中継ぎやリリーフへの継投を重視する
采配をした。

ジャイアンツの監督をしてた藤田投手も
おんなじような酷使のされかたで。
1年目17勝、2年目29勝、3勝目27勝。

なにを言いたいかというと。
そういう時代にカネヤンは
現役で20年、主戦としてマウンドに立ち続け
勝ち続けたのね。

その、頑丈さ。

で、もっと何が言いたいかというと。

たしかに生来の頑丈なカラダ
ってのはあったのかもしんないけど。

そういう、酷使・根性・使い捨て
みたいな時代に
時代を先取ったケアをしてた。

ってのが、ほんとうのカネヤンのすごみで。

たとえば、よけいな神経を使いたくないから
じぶんでクルマを運転しない。

プライベートで運転手を雇って
後部座席でカラダを休める。

あまつさえ、でっかい外車に乗る。
いつでも横たわれるように。

たとえば、朝からステーキとかすき焼きを
食いまくる。

良質なタンパク質を摂って
いい筋肉をつくる。

たとえば、キャンプや遠征のときは。
自室に炊飯器を持ち込み。
ミネラルウォーターで飯を炊き、
それを食ってた。

「ミネラルウォーター」って。
キクチが中学か高校のとき
(カネヤンが引退して30年後ぐらい)
やっと市販されるようになって。

中高生にして水道水世代なキクチは
「コンビニで金を出して水を買うwww」
とか言ってたのに、である。

とか、猛練習と試合での酷使のB面で
徹底的なケアと栄養補給をしてた。

これって、すげくね?

部活で猛暑でも水飲んじゃダメ
が、あたりまえな昭和30〜40年代の
根性一辺倒な時代で、だぜ?

とか、つたない記憶を頼りに
さも知ったようなクチで
ドヤ顔でカマしてきたけど。

ふとウィキペディアで「金田正一」をみたら
もっとすげえエピソードが死ぬほどあって
これがもう、すごい。

ドヤ顔、はずいw

どうせ長くなっちゃったから
話がそれちゃうけど。

ウィキペディアに負けてるけど。

キクチが大すきな高校野球の
なかでも大すきな池田高校、蔦監督。

やっぱ、根性一辺倒な
1970〜80年代において。

池田高校では、
「筋肉が硬くなるからダメ」
が世間の常識だった筋トレを取り入れ
圧倒的なパワーをつけ。

「疲れるから水を飲んじゃいけない」
が常識だった時代に。
地元・徳島の大塚製薬が開発した
ポカリスエットという新商品を飲み放題。

後援会長がお肉屋さんってんで
夕飯はステーキ食い放題。
で、もって、良質なタンパク質を補給。

と、時代を先取りしまくった。

池田高校が高校野球で一時代を築いたのは
そういう先進的な取り組みの積み重ねで。

カネヤンは、池田高校の
さらに20〜30年前に
やはり時代を先取りしてたってわけで。

そのプロ根性っていうか
意識のとてつもない高さこそがすごくって。

「400勝」「20年の現役生活」
ってわかりやすい記録よりむしろ、
その取り組みのいろんな意味でのすごさ
がホント、すげえとおもうわけで。

(すげえすげえとか、語彙が貧弱すぎぇ)

なんで池田高校の例を出したかっていうと

カネヤンも池田高校も
当時の常識を打ち破ったわけで。

じぶんが正しいとおもうことを
パねえ柔軟性でもって、取り入れたわけで。

その、おのれとの対話の仕方って
(そこまで徹底はできないかもだけど)
エッセンスのひとつだけでも
取り入れられるもんなら取り入れたい

じゃないすか。

これは市民ランナーにおけるマラソン
と通じるとこが多いような気がする。

。。。

と、むりくり
ランニングをがんばってる的なほうに
ランニングをがんばってないひとが
つなげてみようとしてみたw

。。。

カネヤンは目に見える記録がすごすぎる
ってのは、あんだけど。

それを下支えしてた上記みたいなことって
むかし書いた杉山愛のすごさ
とおんなじたぐいのもので。

www.kikuchiroshi.com

なんつうか、とりとめがなくなってきたが
カネヤンって「太く、長い」んだよね。

いや、杉山愛だって「太く、長い」んだが
やっぱちょっと、過小評価されてて。

グランドスラム連続出場記録もつくったし
シングルスもダブルスもトップ10入りした。

これってホント、超絶すごいの。
少なくとも日本人では唯一無二。

これもきのうだったかな。
大坂なおみのニュースに杉山愛が出てて
「私と大坂さんとはまたレベルが違う」
って言ってて。

確かに大坂なおみはナンバーワンになったし
グランドスラムも2つ制したケド。
それは超絶すごいんだケド。

杉山愛って、
それにおもねるレベルの実績じゃない。

まあ、これは完全にいいや。

『巨人の星』のカネヤン。

引退会見のあと、 カネヤンが引退するとは知らない
寄ってきたこどもたちにサインをしてやり。

かぶってた帽子をこどもにかぶせ
こうして粋に去ってゆく。

カネヤン、さよならや ひとまず・・・

。。。

金田投手、ようやった!
ありがとう!

「さよならは別れの言葉じゃなくて
ふたたびあうまでの遠い約束」や!

ありがとうございます。
あなたがプロ野球を盛り上げてくれたせいで
おれは子どものころからずっと
野球というスポーツが大すきだ。

という結果論的に、ぽえむ。