地図をみてみると
川崎までのルートはわかりやすかった。
職場がある永田町から
日比谷高校のほうに入る道を入り、
赤坂、ギロッポンと道なりに進むと、
国道1号に出る。
そのまま多摩川を渡れば、川崎。 ほぼ一本道といっていい。
*
国道1号、一国(いちこく)。
浜松出身の母は国一(こくいち)っていう。
岡崎出身のユキさんもたしか、
「こくいち」っつってた。
境目はフォッサマグナ?
あんまどうでもいいな。
*
国道1号のほうの土地勘は
ほとんどまったくといっていいほど、ない。
どれも地名は知ってるケド、
位置関係ってえの?
有機的なつながりってえの?
そういうのがわからない。
「白金」に来たぜーとおもったら
「白金高輪」や「白金台」があって。
「白金どんだけつづくんだよ」
おもう。
おんなじように。
五反田、西五反田、南五反田、地団駄。
戸越、戸越銀座、戸越公園。
池上、仲池上、池上本門寺、池の上w
永久ループ。
スーパーマリオの4−2状態。
*
五反田を越えて。
「山手線の外にでたぜ!」
「相当来たよね!」
ってガーミンヌみたら。
19kの行程のまだ6k。
もうマジで、ジョグとかどうでもいいから
電車に乗ろうかとおもった。
*
多摩川の橋が見えてきた。
「やっと来たぜ!」
多摩川の先にあるから、川崎。
ネーミングがテキトーすぎやしません?
いまさらだけど。
とか考えてたら。
ちょっと元気が出てくるものの、
橋を渡ってからヨガスタジオまでが
遠い遠い。
いや、実際は近いんだろうけど。
「やっと川崎にたどりついた、あとすぐ」
って意識があるもんだから。
誰かの陰謀かとおもった。
誰だよ?
そんなやつ、いるかよ。
*
あるじゃないすか。
人としての尊厳と激闘をカマして。
トイレにたどりついたぜって一安心したら。
トイレの入口から個室まで
あんがい距離あったり。
個室に入っても、便座を開けて
荷物とズボンとパンツをおろしてしゃがむ。
という工程がある。
激闘が大接戦であればあるほど、
そのゴールを見誤ると大惨事を招く。
いちどほどけてしまった緊張感は
そうたやすく締めなおせないし。
うーむ。
わかりやすくたとえようとして
よけいわかりづれえパッターンぇ。
だいたいそんな感じ。
*
あまつさえ。
川崎市出身にもかかわらず。
川崎に入ってから迷いまくり
ヨガスタジオがぜんぜん見つからず
時間だけが過ぎていき、
ガーミンヌの距離が加算されてった。
やったぜ。。。
*
「おめえ、川崎出身じゃねえのかよ!?」
てめえ自身にありったけの怒りをぶっつけ
スタジオを見つけたのは21時だった。
レッスンは20時30分まで。
アフターは21時からと、微妙な時間。
2階にあるスタジオを見上げると
まだ電気がついてる。
とりあえず、
とおもってドアを開けたところで
ジャーマネさん、KANAセンセイに遭遇。
よかったよかったってんで。
ご挨拶をして辞去。
代金は受け取ってもらえませんでしたよねw
*
受け取ってもらえなかったっていうか。
「それはもらえません」言われて
「あ、そうすか」あっさりと引っ込める。
ぽまいは、ガキの使いだなw
何しに19kも走ってったんだぜw
*
あ、あれか? 演出だな?
がんばりました感を出すための
ジョグとギリギリ着。
ほんとうはビタ一文払うつもりもねえのに
いちおう、申し出ておく。
(固辞されるのも、織り込み済み)
とか、ね。
真相は藪の中だ。
おれしか知らないのだ。
フッフッフ。
*
KANAセンセイとジャーマネさんに
お会いできたらすっかり気が抜けて。
いまのじぶん比、走りすぎててヘトヘト。
ってことに気づいたら。
ぬーんと甲が、いきなり活気づきましたよね。
川崎から3駅分だけ走って、南武線ワープ。
登戸からおうちまで2k走って、
合計26k。
けっきょくおれはきょう、
何をしに行ったんだぜ?
怒髪天を衝いた。
ガキの使い。
怒りのジョグ。