キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

写真がすきかカメラがすきか、みたいなこと

15年ぐらい前だったか。
とある業界団体のパーチーがあって、
カメラマンさんと取材にいった。

こうもんみえても、超絶人見知りなので。
パーチー的なものは、とくに苦手で。
「仕事だからしようがない」ってんで
必要最低限のことだけをして。

あとはカメラマンさん以外、
誰ともいっさい会話をしなかったんだが。

そういうとこでこまめに名刺交換とかして
名前だけでも売りこんどいたら
新しい仕事につながる
なあんてこともあったのかもねん。

そのときは、とにかく。
「そういうのどうでもいいから
一刻も早く、この場から離れてえんだ」
って気持ちでいっぱいいっぱいだった。

とか、どうでもいいな。 措きまする。

カメラマンさんは。
「必要最低限の仕事」以外に
挨拶が終わったお偉いさんとか、
ご歓談してる参加者とか、

いわゆる捨てカットを撮ってまわってる。

「捨てカット」ってのは。

必ず撮っておくべきカットのほかに
紙面をつくってて、埋め草っていうか
「ちょっとこういうの入れたいなあ」
ってなったときのために撮っとくもので。

パーチーなら、そういう
歓談の様子がちょっとあれば
全体のふいんきが伝わりやすくなるとか。

たとえば、古民家でグラビア撮影があったら。
水着のチャンネーのほかに
柱の傷とか花の一輪挿しを押さえとく。
窓ごしの青空を押さえとく。
そういうのがポッとあったりすると
なんとなく収まりがよくなる。

そういうもので。

話の本筋とは関係ねえ捨てカットの説明を
なんでこんなにていねいにしてるのか
じぶんでじぶんがワケワカメなんだが。

しかし、「捨てカット」って
ひでえネーミングだよな。

。。。

おれがそんなん感じで。
「話しかけたらぶっころす」
的なオーラを出してる横でw

あいそよく撮影してるカメラマンさんには
話しかけてくるひともいるわけで。

何人か、 写真が趣味っぽいひとが
「どんな機種つかってるんすか?」
「レンズは何を?」
「どういうセッティングで?」
「ほかにはどういう仕事してんすか?」
とか、興味しんしんに訊いてきて。

カメラマンさんは
それにていねいに答えてる。

あとで。
「写真すきなひと、けっこういるんですね」
って話したら、そのカメラマンさん。

「ああいうふうに話しかけてくるひとって、
えてして、写真よりカメラがすきなんですよね」

ほほう。

「なんとなく話を合わせますけど。
ぶっちゃけ、ぼくもカメラのことは、
よく知らないっていうか、
あんま興味ないんすよ」

むうん。
そんなもんなんすかね?

そのすぐ後だったか。
学校案内をつくる仕事で、
とある高校にいったとき。

休み時間に校庭で撮影してると。

将来カメラマンになりたいって高校生が
興味しんしんなようすで近づいてきて
そのカメラマンさんに質問してる。

「ぼくの持ってるのの、上位機種だあ」
「さすがプロ。高いレンズ使ってますね!」
「どういうセッティングで撮ってますか?」
「ほかにはどういう仕事してんすか?」

に、対してカメラマンさん。

「そんなことより、
本当にカメラマンになりたいんなら。
安いカメラでも、なんでもいいから
撮りまくったほうがいいんじゃないすかね」

!!!

。。。

それはたまたまそのカメラマンさんが
そうってだけで。

あまつさえ。
言ってもプロだし商売道具だし
機種とかセッティングとかについての
知識はあるに決まってんだろうけど。

なんつうか、その。
「写真(を撮る)のがすきか。
カメラというメカがすきか」
の違いを識別する? ってのは。

ものすごく興味深いっていうか
いろんな示唆が含まれてる気がした。

そのカメラマンさんは、きっと
「写真を撮るほう」なんだろうし、
「他人のセッティング聞いてどうすんのよ?」
なんだろう。

マラソンをはじめてしばらくして。
市民ランナーと知り合いになって。

「より時代を先取りした練習方法の研究」
「誰それはこんな練習してるらしいぞ」
「あのシューズ、気になってるんすよ」
「この補給ジェルはすげえらしいぞ」

ってネタが、手を替え品を替え、
次から次へと出てくる出てくる。

コレ。
「写真がすきかカメラがすきか」ってのと
おんなじすたっらくちゃーだな。
おもった。

そんなこと考えてる間に、走れよ。
おもった。

ただ、写真・カメラと違うのは。

市民ランナーのばあい。
「写真もカメラもすき」
的なひとの割合が多いってこと。

えてして。
理屈を考えるのがすきなひとは
やたらたくさん走ってて(クソ速いし)

やたらたくさん走ってるひとは
理屈を考えるのもすきで(クソ速い)

と、おもう。
あくまで傾向として。

なので。
「弁はたつだけで、結果が伴わない」
と、そこはかとなくバレバレで
わかりやすく浮いちゃうのかなあ。

とも、おもう。

あ、ここでいう「結果」ってのは
「速さ」じゃないっすよ。
いちおう。

ぬおお。
話が隘路につっこんだまま、
戻ってこられなくなったパッターンぽえむ。