キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

おれの突発性難聴 その2 耳鼻科手練れなムスメっこにある意味カマされる

もともと行こうとしてた耳鼻科
(ウェブ予約してないほう)で
おれは診察を受けたことはなかった。

が、近所では評判が悪いわけではない
というか、いいほうだし
待合室までは何度も行ったことがある。
====


ムスメっこが副鼻腔炎もちで。
小学校に入ったころから、激しいときは
週2~3回、かよってたことがあったからで。

5年生になってから、行ってきなといえば
ひとりで行くようになったが、
それまでは幾度となく付き添ってた。

ムスメっこが言ってたのは
「先生がおっかない(ピアノの先生のほうが100倍おっかないケド)」
「だって、少し空けるとおこられるし、マジメに行ってても『ホントはまいにち来て吸入?吸出?したほうがいいんだけどね』っておこられるし」
と。

たしかに。
受付にいる奥さんもザ・江戸ムスメ
っていうかチャキチャキ気質で
患者にも助手のチャンネーにも
分け隔てなく(?)凄みをきかしてきてたっけ。



この朝、いまからその耳鼻科に行ってくる
って言ったときもムスメっこ。

「あの先生、こわかったよー」
「パパ、ほんとにあすこいくのー?」

カマしてくる。
おれの反応を楽しんでる感じだ。
くそう。



9:30の開院からほどなく
ビビり倒しながら耳鼻科に到着。
患者はまばらだから少なくとも
診てもらえないとか、すげえ待つとかは
なさそうだ。



こんときゃ、まだ。
どこかで甘い夢を抱いてて
「原因はただの耳あかの溜まりすぎーっ」
的なネタ的結末を期待してたりもしてて。

いや、おれは耳そうじが大すきで。
リビングのおれが座る場所の
手の届くとこには常に
耳かきが置いてあるくらいなんだが。

ほら、よく言うじゃん。
そういうのにかぎって、耳あかをどんどん
奥に押し込んじゃって
けっきょく中のほうにため込んじゃってる
的なパッターン。



受付の前で保険証を出そうと
リュックをがさごそしてると、ザ・江戸ムスメ。

「あ、初診ですかー」
「じゃあ、保険証を持ったままお入りくださーい」

その耳鼻科は待合室、短い廊下、診察室
って間仕切りなくつづいてる導線で。



診察室に入ると。
横3人がけのソファが背中合わせで
左の真ん中にあって。

向かってあっち側のいちばん右に座ってろと言う。

診察台は右側。

右耳が聴こえないもんだから
呼ばれたときに聞き逃すまいとして
ずっと右を向いてる。

おれから見て右前方には機材が置いてあって
助手のチャンネーがいろいろ用意してるから
はたから見ればおれはチャンネーを凝視してる
あやしい43歳男性でしかないw



っていうか。
耳鼻科に来ていきなり通されて。
名前も何も訊かれてない。

ふつう風邪ひいて病院いったとき
受付で保険証だして、紙っぺらに
症状だとかひととおりのメモ、させられんじゃん。
ねつ測りながら。

そういう、医者にとっての予備知識
なにひとつ、開陳してない。
名乗ってすら、ない。



ただでさえ、病院ってこわくてきらいで。
あまつさえ、いままでムダに健康だったから
よっぽど熱が出たときとか
親知らずを抜くときぐらいしか
行ったことねえし。

それが、ノー情報ギブでもって
診察室内の待ち合いソファに座らされてる。

もう、なまじっかの絶叫マシンよか
恐怖度まっくす。

いや、絶叫マシン乗ったことねえし
こわくて乗れねえんだけどな。



2、3分すっと、ザ・江戸ムスメが
「しようがねえなあ」って感じで
(いや、そんなことはないんだろうが)
保険証を取りに来たので、おとなしく渡す。

さらに2、3分すっと、先生に呼ばれる。

「どうしましたか?」
ぶっきらぼうだ。

「あ、荷物はそこの棚に置いて」
よく聴こえない。

「その、右にある棚っ」
ぶっきらぼうだ。



「金曜の朝、起きたときから右耳が聴こえなくて。。。」
蚊の鳴くような声で、告白をコクる。

「じゃ、まず左耳からみせて」
アタマを右に、左耳を先生に向ける。
底の抜けたすり鉢みたいのを耳に当て
耳の中を見てくる。

無言。

「じゃ、次は右耳」
従順に、逆を向く。
こえええ、どうなるんだ、おれ。

もういっそのこと。
「耳あかの溜まりすぎ! 耳そうじの仕方が悪いんだよっ!」
って、怒ってくれてもいい。
いや、むしろ怒ってくれ。
よしんば、なじってくれてもいい。

。。。

。。。

「パッと見たところ、異常は見あたらないので
聴力検査をしてみましょう」

「こちらへどうぞ」

左後ろ。
さっき座ってたところの正面。
人が1人座れる程度のスペースに導かれる。

っていうか、先生。
いきなりちょっとやさしくなった。
逆にこわいんだケド。。。


つづく。