その6のつづき。
12/8木曜。
いぶちゃん獅子が加わった日。
おれはちょっと恐れてた。
べつにいぶちゃんがライオンだから
恐れてたわけじゃなくって
小6生女子が3人集まることによって
どう転がっちゃうんだろうって。
*
うまいほうにいけば、
いぶちゃんがカンフル剤となりガンガンいく。
いっぽう。キャピキャピ小6女子。
「オトモダチが群れただけ」状態で
際限なくグダグダになることも考えられる。
別にどっちにいこうと、いいっちゃいいんだが
せっかく早起きして集まったのに
ただの井戸端会議になっちゃうのは
なんか、もったいない。
まあ。どちらにいくにしてもたぶん
おれには統御でけないんだがな。
*
スタート地点に向かうとき、3人はキャピってる。
朝7時前だってのに
小6女子なりの他愛もねえハナシで
盛り上がってる。
ど、ど、どうなるんだろう?
*
みーたんとムスメっこと3人のときは
わりと付き添うっていうか寄り添うっていうか
って感じでジョグしてたけど。
きょうからはちょっと距離を置くことにして
数十メートル、前のほうを走ることにした。
親があんまベタベタしてんのもアレだろう
ってのもあるし、グダグダになったとしたら
「もうちょっとピリッとやろーぜ!」
を背中で語ろうとしたってのも、ある。
*
そんな心配をよそに、折り返し点のすぐ前。
振り返ると、すぐ後ろにいぶちゃん。
気合いが入ってるようだ。
どんどん距離を詰めてきてる。
子羊ふたりは、みーたんのペースに合わせて。
だいぶ離れて後ろのほうで。
でいて、グダグダって感じでもない。
「よしよし、いいぞ!」おもった。
*
折り返してからは、ややペースを落とし、
2人を合流させ、4人でぽくぽく進む。
ぽくぽく進みながら
スキップとかもも上げ、ホッピングを混ぜると
別にやれって言ってないのに
子どもらもマネして、楽しそうにやる。
「アタマのてっぺんに糸がついてて
上からひっぱられる感じ」っていうと
ぴっと腰高になったりもする。
「なんだかんだ、まだこの子たち
小学生なんだなあ。かわいいもんだぜ」
よしよし、いいぞ! おもった。
ラスト300mの鉄柱。
「あすこからゴールまでダッシュね」
鉄柱通過を合図に、みんなちゃんとダッシュをカマす。
息を切らせながら、ゴール。
*
帰り道はふたたび3人でキャピってたが
何だかすげえいい感じだぞ。
いぶちゃん効果?
ひょっとして、おれの背中効果?
すべてがいい方向に回ってるようにみえた。
つづく。