キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

2016かすみがうらマラソン、レース経過その1 23kまで―心がバッキバキグラップラー刃牙

2016かすみがうらのふり返り。

このエントリーはレース経過。
というわけでまずは、ジャーン(↓)。 ====
image
グロス3時間52分49秒。
ネット3時間52分27秒。

記録証をクリックすると、ラップがみえるていどまで拡大される。



きのう。
西新宿でホルモンを食いながら飲んでた。

昼ごろ、メールがあり。
「GW前には一献、かたむけたいっすね」
ってあるもんだから。
「今宵でもいいっすよ」
って返したら、即決定。

おとつい。
かすみがうらと同日、
長野マラソンを走ったかたで。
そのかたとは4年ぐらい前に、
同業者のパーティーで知り合った。

「マラソン、走ってる」
「野球がすき」ということで意気投合した。
話すうち、齢がほとんどおんなじ
かよってた大学も学部もいっしょ。
ということが、わかった。

去年、今年とOTTにも出てて。
じっさいに走ってる姿を目撃した。

ということもあり。
おれにしては珍しく、ウタゲで
マラソンのことを語りまくった。
楽しかった。



カレの知り合いに。
やっぱり同年代でおんなじ学校出身で
マラソン走ってるひとがいるって訊いた。

「今度、紹介しますんでぜひ3人で飲みましょう」
「おうよ!」ってなった。

「そのうち、おんなじ学校出身のひとでチームつくって駅伝したいっすね」
(カレは、かすみがうらとおんなじぐらいの
コンディションだった長野でサブ45)
「おうよ(おれ、ぜってー足ひっぱるけどな)」
ってなった。

「それならおれさまちゃんの知り合いにも、
たまたまおんなじ学校のひとがいて
女性でフル3時間10分ちょいで走るんすよ。
そのひとも呼びましょう!」って言っといた。

「おうよ!」ってなった。

きぐま、出てこいやー!



楽しすぎて、飲みすぎた。
ひさびさに記憶ロスト。

どうやって帰ったか、覚えてない。
今朝、MOVESをみたら、こういう。
image

駅と自宅のほぼ中間地点で
1時間ぐらい、爆睡してたらしい。。。

断片的に、寝ちゃえってなったときは覚えてて。
「家、遠いな」
「かすみがうらの折り返し地点まわって、クソ向かい風だったところとおんなじ感じだ」
「ええい、寝ちゃえ!」
ってなった。



ってぐらい。

かすみがうらのレースふり返り。
したくないらしいぜ、へへへ。

きょうは23km地点まで。
サブタイトルは
「おれさまちゃんの心がバッキバキに折れるまで」で。

ことほどさように。
オモシロ要素は皆無。

なので。
まわれ右、推奨。



さてと。
重い腰をあげてみるぜ。



以下、
タイムはそれぞれ上段ガーミンヌ、下段は公式のグロス。

ガーミンヌでは、総距離42.57km。
現場の距離表示とのズレは前半ほぼなし、後半ぐんぐん広がって400mホド。



スタート~5km
22:45/22:45(4:54、4:30、4:33、4:23、4:25)
23:13/23:13

スタート前、茨城入りした前日から
書くつもりだったけど、ここではカツアイ。

10マイルがスタートした直後に並びはじめる。
9時20分。
Aブロック中盤。前から25列目ぐらい。

ヨーイ、ズドン。
1kmぐらいの常磐線との立体交差。
2kmぐらいの上り坂。
7kmぐらいの常磐線との立体交差。

上り坂。とはいえ序盤なので。
いままで4回は、知らない間に終わってた。
ぐらいのところ。

なのに、なんかつらいし、汗だくだくになってる。
おかしいな?

っておもう。
1kめは混雑してるので4分54。
でも、つらい。

2kめぐらいの上り坂を上りきると
まったく風を感じない。

「あ、相当追ってるんだな」っておもう。

がんばるでもなく、ゆるめすぎるでもなく
ポクポク走る。

相当な追い風なので、ノっとくていで
想定からキロ5~10秒
速くてアタリマエ前提で進む。

にもかかわらず、4k4分23、5k4分25。
うーん、おっかしいなとおもいつつ、進む。



5~10km
22:29/45:14(4:23、4:29、4:28、4:33、4:36)
22:34/45:17

体感的には、変えず。

7k。
日立建機手前の立体交差上りで、
「きょうは本格的にヤバいのかも」
っておもいはじめる。

いつも、コウ。
走り出して10k弱はチョー万能感。
15kぐらいで「いや、ゼツフチョーかもね」
ってのが、いいときのパターン。
(でもって、ハーフから徐々にペースを上げる)

んだが、きょうは「ゼツフチョーかもね」
な感じが、スタートからずっと。
でも、そのうちカラダが軽くなるに違いない。
ハーフまで忍んで、そっからどんくらい上げようか。
とか、考えるようにする。



7kすぎ。日立建機の前。
「キクチー」って声が聴こえる。

沿道に、ふぅさんとakiさん、うっひょー。
てんしょんガン上がり。

あまつさえ。8kすぎ。
沿道に、かっきぃさんをハッケン。
声をかけようとおもったが
ゼツフチョーでパニクってんだか
おなまえがとっさに出てこない。
「なにっきーさんだったっけ?」
とか不届きに考えてる間に、通過しちった。



あのう。
美女ガーって、いうじゃない。

「編集者が女性だったら、猫も杓子も
『美人編集者の○○女史』って言っときゃ、
場が丸く収まるじゃん」
的なノリで。

でもその。
ふぅさん、akiさん、かっきぃさん。
このおさんかたは、ガチマジビジョなんですわ。

タイプは三者三様ってか、ぜんぜん違うケド
ショージキ、おれ、超絶このみ。
タイプとかうんぬん、関係ねえ。
とか、クソキモいな。

っていうか、アレだ。
コレおれ、逆にケンカ売ってねえか?

「おもってもねえくせに、
おさんかた以外は仕方なく、ビジネスで
『美女ガー』ってってる。
ああそうですよ。
美女ガーっつっときゃいいんでしょ」
っていうね。

いやいや、そういうことじゃないんですよ。
でも、「そういうことじゃないんですよ」
って言えば言うほど、
ウソくさくなるパターンじゃんコレ。

「山一証券はぜったいつぶれません!
ご安心ください!」的な。



そんなこんなで、てんしょんまっくす。
追い風もまっくす。

なのに、9k4分33、10k4分36。
低空飛行は変わらない。



10~15km
23:01/1:08:15(4:35、4:40、4:37、4:37、4:32)
23:06/1:08:55

「そうだ、チャンネーツーケーだ」
って、内なるカツオくんがひらめく。

おりしも斜め前に、ピンクのチャンネー。

ツーケーを眺めながら、
もしいま、お見合いがあって
「ご趣味は?」って訊かれたら
「ツーケー観賞です(ドヤ)」
って、「歌舞伎をたしなんでます」
ぐらいの気品でもって言えるぜ。

とか、考えるも、ペースは変わらず。
クンピのツーケーも、心なしか
どんどん遠ざかってく。



15k地点は、谷だ。
坂を下って、15k地点があって
坂を上る。

「きょうは、本格的にダメだ」
って、考えはじめる。

「いや、きょうはそこをがんばる日だろ」
ってのと、行ったり来たり
をスタートからずっと行ったり来たり
しながら、徐々に黒いほうが優勢になりはじめる。

15kのシートを踏みながら
「かすみがうら、ランナーズアップデート
なくてほんとうに、よかったーーーー」
って、おもうぐらい。

「谷」っていう、
絵文字みたいなつらいツラして走ってる。



15~20km
24:19/1:32:34(4:44、4:45、4:51、4:56、5:03)
24:34/1:33:29

追い風がつおいのに、ペースはどんどん落ちてく。
まだ、はんぶん以上、ある。
カラダがまったく、利かない。

本気でリタイアを考えだす。

でも、大々的な救護所とか、見つからない。
「キロ5まで落ちたら、やめよう」
って決める。

ただ、このときの
「キロ5まで落ちたら、やめよう」
は、それでもまだわりかし前向きで。

「そうなんないように、いったるぜ」
っていうてめえへのムチとして、だった。
「なんだかんだ、PB10分落ちでお茶を濁す」
ぐらいのニュアンス。



20~25km
28:18/2:00:52(7:40、5:00、5:31、4:59、5:08)
28:37/2:02:06

あ、きょうは23kまでなんだが。
行きがかり上、ラップは25kまで
さらしとくわ。

20k地点。
20kポイントの数メートル先。

トイレがあるので寄ることにする。
きょうは「戦略的トイレ」なんかじゃない。
もう、やめようっていう覚悟の入口トイレ。

とかいいながら。
やめるかやめないかまだ揺れてる。

とりあえず、トイレに入ることにする。
トイレに入って、ロスタイムが何秒になるか
ウオッチに目をやる。

ウオッチ、止まってる。

トイレに入ろうとコースアウトしたとき
無意識に止めたらしい。



レースのときは、ふだん
トイレでウオッチを止めない。

トイレでどんくらいロスをするか。を測るのも
おれのレース展開のうちのひとつなので。

でも、きょうはウオッチを止めた。
ということは、レースを止めた。
ということだ。

意識せず、本能レベルで。

ということに気づいて、
「おれのかすみん、これで終わったな」
と、悟る。いちおうふたたび
ウオッチを動かし出すボタンを押しつつ。



トイレを出て。
道端でスマホを取り出し、つぶやく。


わざわざ恥を公開するひつよう
どこにもねえよな。とかおもいつつ。

汗と雨で指が濡れてるのと
画面がバッキバキに割れてるので
入力がおもいのほか手間取ったが
終わっちゃったんだもん、かんけいねえよね。

とかで、ゆうゆうとスマホを操作す。



してると。
「キクチー!」

はっち。さんに見つかっちった。

「どうすか?」って訊くと
「もう、ヘロヘロです」なんておっさるので
諦めちゃったのかなっておもって
お話ししながら、ポクポク走る。

数百メートル進むと、
「じゃあ、ボク、行きます」
って、バビューンと、駆けてった。

あ、はっちさん。
の、ジャマしちゃったのねおれ。

ホントゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ
って、言いたかったけど
あっという間に声が届かなくなるくらい
離れていきなすったので
静かに、ゴメンナサイを独りごちる。

そんなこんなで21kめ。7分40。



さて、どうしようか、と。

かすみがうらのコースは
すげえ大まかにいうと往路と復路で
おれが身も心も止めちった20k地点てのは
つまりスタートゴールから20kの
いちばん、離れてるキョリ。

DNFを告げて収容バスに乗るにも
バスがどこに来るのか、どこから乗れるのかも
わっかんねええ。

ごくゆるゆる、進むことにする。



中間点のすぐあと。
22k地点であぜ道をぐるっと回る。
実質的な折り返し。

ぐるっと回りおわると、
産まれて間もない赤ちゃんだったら
呼吸ができない程度の
42歳を一週間後に控えたクソバカだったら
折れた心に笑顔でとどめを刺す程度の
ファンタスティックな、ド向かい風。

「これをあと20k進むのは、ムリだ」
気軽に、歩く。

歩きながら、「走ってるひとすげえな」
とか、観客気分で、眺めてると。
横を通りすぎる、
やけに背中のデカイ黒の75T。

ひでちさん、だった。

ひでちさんには、1回、お会いしたことがある。
きょうの朝も、とある村の陣地に
顔を出してくだすった。

きょう、サブ3.5をやりたい。
と、ブログでもアツく、語ってらした。

よくわかんないケド、ちょっとめらっとした。
ひでちさんの大きい背中を追うことにした。



ひでちさんはキロ5ペース。
を、着実に刻んでらっさるっぽい。
ピタッと後ろにつけながら1kぐらい。

「このペースならおれ、ゴールまでいけるな」
と、いっしゅん、おもった。
「どうせなら、ひでちさんの3.5のお手伝いしたい」
と、いっしゅん、おもった。

親の仇のような、ツーレツな向かい風。
ひでちさんの大きな背中の後ろにつけてるので
なんか、ちょっと風がよけられてるような気がした。

「いやいやいやいや、キクちゃん。
ここはアレだよ、おれが風よけにならなくちゃ。
お手伝いしなくちゃ」

しらっとひでちさんのすぐ前に出よう。
と、いっしゅん、おもった。



でも。

「このペースならおれ、ゴールまでいけるな」
ってのは、ただの幻覚で。

しらっとひでちさんのすぐ前に出て
ひでちさんの風よけをしよう。
って想いとはうらはらに
少しずつ、ひでちさんの背中が遠ざかってく。

コレ。
ものすごくシツレイな物言いだが。

ひでちさんはおよそ、
マラソン走るような体型じゃない。
走りかただって、後ろから眺めてるかぎり
左右に揺れ、縦にゆれ、
スタスタというよりは、ドタドタ。

けっしてスマートじゃない。
スマートじゃないっていうか
スマートとは対極って感じだ。

でもでも。
ペースをしっかり守り
向かい風に立ち向かってってる。

おれは、そんなひでちさんの
手伝いはとてもできないチョコザイなので
大きい背中が小さく遠ざかるのを見ながら
応援を独りごちることしかできなかった。

「ひでちさん、アンタ、ぜったいイケるよ」
と。

で、けっか、有言実行、おみごと!

「かすみんで、キメたる」
って、どっかのクソバカも言ってたっけ?
知らねえ。まあいいや。



ひでちさんの大きな背中が
豆粒みたいに小さくなったころ
おれの心も、本格的に折れた。

折れるってよか、切断。
バッキバキ。

とりあえず、もうやめだやめだ。



かすみがうらマラソンは大すきだ。
いままでここで、PBを3回更新してる。

走りやすい。

後半の湖畔の生活道路は飽きる。
なんて声も聞くケド。

おれはキホン、沿道にいらっさる
クソババアとかクソガキが大すきで。

カレらカノジョらの静かな生活を
1年に一度、こんなん形でジャマして
ゴメンナサイっておもう、いっぽう

1年に一度、祭り的に楽しみにしてくれてる
んじゃないかとか独りよがって
とくに玄関の軒先で、座りながら
走るひとたちを眺めてるクソババアを
半べかきながらお礼言いながら走ってる。

毎年、名も顔も知らんそんなクソババアどもに
会えることをすっごく楽しみにしてる。

今回は。
ぜってえ、やめようっておもってる。
クソババアどもに、会えないのは
もったいないぜ、醍醐味半減だぜ
とか、後悔しつつ、もう一歩たりとも
走りたくない。

とかおもってる、おれのバカバカバカ。

とかおもいながら。
死に場所(リタイア宣言できる場所)を
求めて、てろてろさまよってる。

風つええし。
雨ふってきたし。
ひでちさん、遠ざかってってるし。

かすみがうらマラソンなんか
やっぱ、大っきらいだ。
大すきだけど、きょうは大っきらいだ。

「すきよっ、すきよっ、大すきクンっ」
って、ヤクルトジョアのCMに
荒木大輔が出てくる、よろしく

「キライっ、キライっ、カーチキライっ」
って、ミスターバレーボールが降臨するぐらい
すげえ降臨で、どんな尾形だよってぐらい

かすみがうらマラソンっていうか
霞ヶ浦全般ていうか
茨城県っていうか
ニッポンがキライになる。
カーチキライになる。

ぐらい、マイナスオーラが充満してて。
「これがオーラじゃなくてイオンだったら
癒されすぎて、幸せすぎてこわいのアタシ」
とか、まったく、おもってないw

みたいな絶望感で、23k地点。
とにかく、意味もなくパニクってると。

。。。


!!!!!!


目の前に、阪神タイガースの金本なてい。

おれとおんなじレベルの絶望感なていで
ひんぱんに後ろをふり返りつつ
とぼとぼあるいてるタテジマダンディが、ひとり。


「サブスリーをするためだけに乗り込んだおれのかすみん」
「それが事実上不可能になったおれのかすみん」
「おもしろくもなんともねえおれのかすみん」
が、こっからあらぬ方向に急展開をみせる。


つづくっ。