あ、ホームビジットって言葉、初出なのに
さもおなじみ前提で出しちったな。
っていうか、「ベール」は脱ぎっぱなしだよな。
生まれてこのかた、徹頭徹尾。
そんなグダグダなのの、後編。
*
わが家にいらしたのは、男性1人と女性1人。
名刺を差し出してくるので見ると
おふたりとも、「vice president」
って書いてある。
高校だか中学の副校長らしい。
へええええ。
ん?
「プレジデント」だったかな?
「スクールマスター」だったかな?
「ボス」だったかな?
「大将」だったかな?
ドメスティックに生きるおれぇ。。。
*
男性のほうは、酒がすきで、コミュりょくがすごくて
写真もデジタル一眼でパチパチ撮ってるし
ムスメといっしょにピアノ弾きながらうたってるし
おれが韓国語にきょとんヅラしてると
平易な英語でもって、話しかけてくる。
そういう言ってみればほぼ、
パーフェクト超人みたいなひとだった。
名刺をみるとSNUの付属高校の副校長ということだった。
日本でいうと、筑駒とか学芸大附属とか、そういうニュアンスってことか。
ヒューガルテンをガボガボ飲みながら始終
マシンガントークを炸裂させてる。
*
おれが日本代表としてベールを脱いだ日 1
男性のほうは
「よく、ジムキャリーに似てると言われる」と。
アメリカで地下鉄に乗ったとき
たまたま背後にでっかいジムキャリーのポスターがあって。
見知らぬひとからも、くすくす指をさされたんだぜ。
みたいなことを、どや顔で話していた。
まあ、似てなくもないが。
帰宅後、ムスメとにょうぼうの間では
「さいとう」ということになってた。
トレンディエンジェルのほう。
「さいとう、すげえおもしろかったねえ」
とか、そういう用法。
その、「誰かに似てるバナシ」を訊きながら
おれもイッチョカミしようとしていじってて
けっきょく陽の目をみなかった
手元のスマホ画面(↓)。
話の流れが速くて、すぐ遅れちゃう系。
*
女性のほうは、名前は忘れてしまったが
ソウル市内のお嬢たま学校の副校長。
このひとは、いかにも教職員って感じでマジメ。
とりあえず、何かあると
このプロジェクトのパンフレットを広げて確認する。
「さいとう」がおれの実母の年齢を訪ね
明らかに60代半ばの実母をつかまえて
「55歳ぐらいですか?」とかミエミエのことを言うと
パンフレットを広げてうちの家族のプロフィルのとこを
「さいとう」に見せる、的な。
おめえさいとう、知ってたんじゃねーかよ! っていう。
さいとうのパフォーマンス、裏目だったなり。
っていう。
*
しばらく話してるうち。
おれは韓国語はおろか、英語もさっぱり。
ということがバレてしまった。
パンフレットを広げてうちの家族のプロフィルのとこを
おれに向かって見せる。
「日常会話程度の英語力」じゃねーのかよ! と。
そういう言語というか、ニュアンスって
言葉は通じなくても、通じるもんだ。
いてえほど。
*
おれが日本代表としてベールを脱いだ日 2
行動を見てると、その女史。
字を書くときは右手でペンを持ち、
飯を食うときは左手で箸を使ってる。
うおお。
クロスドミナンス、キターーーーー!
「おれも、おれも!」って話しかけたいが
おれは伝える言語を日本語以外に持たない。
ここだよ、さっきスマホにダウンロードした
翻訳アプリ降臨。
のはずが、トライアル版ということで
1日5回分だけしか使えねえ。
うえに、ダウンロードしたとき
使いかたを覚えようとして5回分、
すでに使っちまってる。
あわててウェブブラウザーを開き
翻訳をこころみる。
これを見せれば
語学力ハッタリバレバレ分の失策を挽回できる
ばかりか、希少種クロスドミナンスとして
大いに共感でけて、
万が一の恋がひとつ、生まれるかもしんない。
*
ただ、いざとなると。
不安がアタマをもたげた。
この翻訳、ちゃんと訳されてるのか?
文字はハングルだらけ。
おれに確認するスベはない。
もし、何かのマチガイで
国際的に言っちゃイケナイ
的な下ネタに訳されたらとおもうと、ね。
ということで、けっきょく陽の目をみなかった
手元のスマホ画面(↓)。
*
おれが日本代表としてベールを脱いだ日 3
この日にかぎらず。
自己紹介的なきょくめんで常に
いちばん恐れてる暗黒パターン。
「大学は何学部なんすか?」
↓
「。。。」
↓
「大学は何学部なんすか?(アゲイン)」
↓
「ふ、仏文で。。。」
↓
その1
「じゃあ、フランス語喋れるんですねっ!」
その2
「何で仏文なんすか?」
*
「副校長センセイがたは、本来、何が専門なんすか?」
話の流れで矛先がこっちに向かう。
上記、暗黒パターン。
ジャストコレズバリ。
そして、おれは途方に暮れる。
その1に対して。
→「アシジュポーン」
→「アザブジュバーン」
相手は日本語を解さねえ。。。
その2に対して。
ソッコーで検索。
「あのう。こういう(↓)」
まあ、「誰それおいしいの?」
的なまなざしを受けて、おっしまーい。。。
*
あまりにも間が持たなくなって。
とりあえずテレビに頼るという、末期状態。
先方サンに媚びまくっての。
交流だか研修だか査察だか知らんが。
コウ、なにひとつ貢献しないまま
夜はむなしく更けてったんであった。
とりあえず、超絶人見知りっぷりは
少なくともアジアレベルでは
通用するんじゃないかって、自信を深めた。
何だよソレ、って感じだ。
*
。。。
*
まあ、フシギなもんで。
そんなんでも市役所に送り届けて、別れぎわ
4時間、いっしょに飯くっただけなのに
なんだか名残り惜しいんでやんの。
たぶん、それなりに楽しかったんだとおもう。