→ぼっち練の雨はゴオオオオって音だった (2015/04/05)
→Q「そもそもぼっち練ってなんすか?」 (2015/04/06)
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皇居を3周走り終わった。
予定は
「アップ半周→ガチ3周→ダウン半周」
だったんだが。
ガチ3周があまりにもガチだったので
キヨマロからあと半周、竹橋の坂を上るには
やる気も、元気も、井脇も、もてオーラも、女子力も、ビジネススキルも、もちろん体力も、残ってなかった。
「もともとないでしょ」なんて、言わな~い。
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そうやって、独りでキヨマロで待つ。
ほかのぼっちどもはまだまだ、ゲキアツガチジョグを続けてる。
雨がつおくなってきたし、気温も低い。
さぶい。
「帰っちゃおうかな」って本気力を出す寸前、ぐらい。
とりあえず、3人の帰還をがたがた震えながら、待つ。
見栄をはって。
大げさじゃなくて、マジガチがたがた。
「ブルった?」
って、流行最先端アイテム、ポケベルが鳴りまくっちゃう、ぐらい。
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このままではこのエントリー。
一生終わらないんじゃないかっておもいはじめたのでワープする。
みんな帰ってきましたとさ。
ラフィネ(ランステ)に戻りましたとさ。
シャワーのお湯が死ぬほど救いの神でしたとさ。
ラフィネをチェックアウトするとき、本名を聞き逃したんでしたとさ。
で、アフターに向かう。
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おれの舌は、すでにトリカラになってた。
どうせ日高屋いくんでしょ。
足もしぜんにそっち、向かってるし。
4人、もとい1人と1人と1人と1人は
何のうたがいもなく、神田駅の商店街をあるいてた。
「コレ、選択権ナシの日高コースってことでいいんですよね?」
誰かが独りごちる。
新しいものを生み出すには、まず、常識を疑うことから。
とばかりにみんなキョロキョロ、にわかに店を探し出す。
いや、探すていをとる。
見栄をはって。
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「おっ、焼肉屋がありますよ!」
「牛、いいっすね! アッー、立ち食いだ。。。」
さも「座る前提」があったようなそぶりで
新しい風を否定する。見栄をはる。
既存の常識を、ぶち破れない。
いや、あえて、ぶち破らない。
マジで日高屋におののいてるかたがいるなんて、知るよしもなく。
たぶん、見栄をはってたんだろう。
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だいたい、店を探すなんて、やらせだ。
キムスメじゃあるまいしこんなとこ、土日のこんくらいの時刻、何度も通ってる。
だから、知ってる。
休日の神田駅商店街は、神田駅シャッター街なんだ。
ここがホントにトーキョーのど真ん中のビジネス街かよってぐらい。
でも、見栄をはる。
*
「牛たん、行きましょっか」
誰かが独りごちる。
おお、新境地!
既存の常識をぶち破った!
というわけでは、ない。
そこ行ったこと、あるある。
今回とけっこうかなり近接した、メンツで。
けっきょく、既存の檻から出られねえんじゃねえか。
ちっ。小せえ小せえ。
なんておもういとまを与えないホド
おれの舌は、牛たんになってた。
牛たんのおれは、舌になってた。
舌の牛たんは、おれになってた。
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で、ねぎしに入店。
まずはルービーだよね、そうだよね。
おれ「生、ジョッキで!」
容れもの「生、グラスで」ん?
偽名「ノンアルで」ファッ!?
ムキムキ「じゃ、おれもノンアルで」ファッ!!
おれ、午後から仕事なのに、ルービー頼んじゃった。
見栄をはって。
まあいいや、牛たんにルービー、よく合うし。
*
。。。
とーこーろーが。
くまさんも出ないくらいしょげ返って。
アッーーーー!
おれは気づいちゃった。
「減量する」って、宣言してた。
ということに。
某「なんたら牛たん定食」
某「おれも、なんたら牛たん定食」
某「おれもおれも、なんたら牛たん定食」
食いもののオーダー、実際と違うような気がするが。
気づいて、取り乱したあまり、覚えてねえ。
ヒトサマの食いものオーダーなんか。
ビジネスでもなんでもいい。
「減量してるてい」を示さないと。
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おれ「シーザーサラダ。。。」
そりゃそうだよね、減量中だもん。
さも当然なふうに、頼む。
おれの舌は、牛たんになってた。
牛たんのおれは、舌になってた。
舌の牛たんは、おれになってた。
だのに。
3人の食いものから、すげえいい匂いがする。
おれは食えねえ。
とおもうともう、食いたい食いたい食いたい。
しか考えられなくなる。
なんてそぶりは、ビタ一文出さず。
見栄をはる。
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シーザーサラダ。
ボール一杯食ったとこで、腹の足しにもなんない。
「すんませーん、生、もうひとつっ!」
仕事とか、知るかそんなもん。
ルービーを飲んで仕事できなくなっても。
週明けのおれが、困るだけだ。
いまの、週末のおれは、困らない。
見栄をはる。
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ムキムキ「すんませーん、ご飯おかわり、大盛りで」
容れもの「すんませーん、ご飯おかわり、大盛りで」
コイツらも、見栄はってるに、違いない。
ホントはおかわりなんか、したくないんだぜ。
「コイツラも 見栄はってるに 違いない」
五七五になってるのが、その証拠だ。
そんな見栄、はんなくてもいいのに。
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「これから仕事すか?」
帰りの中央線で、偽名が訊ねてくる。
そういえば、去年の秋冬。
おまいはホリックかよ、ぐらい忙しくて。
朝、仕事場からキヨマロに直行し。
ボッチ練のあと、仕事場に戻って、はたらいてた。
その残像的な、何らかがはたらいたんだろう。
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たしかにこの日も、仕事する予定だったケド。
「ビール2杯飲んじゃったし。
なし崩しでおうちに帰っちゃおうかな」
ちょっとそう、おもってた。
でも、見栄をはる。
「え、ええ」
あああ、言っちまった。。。
「いや、その予定だったんすケド、帰っちゃおうかな、と。てへっ」
って言やあすむのに。
泣く泣く、四ツ谷で下りる。
下りちゃったから、職場に向かう。
13時半ぐらい。
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職場につく。
イスに座る。
眠くなる。
まばたきする。
まばたき終わる。
外が暗い。。。
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え、夢オチ?
禁断の、2回目の?
目の前のパソコンを眺める。
やっぱり仕事は、金曜から一歩たりとも進んでない。
そりゃそうだよね。
ゆうべ。
「朝から仕事にいく。夕方、飯までには帰る」
にょうぼうにそう、伝えてあった。
ボッチ練のボの字も出さず。
伝えたって伝えなくたって、何がどうってわけじゃないが。
なんとなく。
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「やべえやべえ、飯に間に合わねえ」
パソコンの電源を落とし、電気を消し、カギを閉めて。
そそくさと家路に着く。
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「仕事、はかどった?」
「お、お、おうよ! ついでにちょっと、皇居走っといた」