そんだけすげえ真摯にジョグと向き合ってる
ということでしょ。
ってわけで。
真摯でも
ましてやジェントルマンでもないおれは
その心境がさっぱし、わかんねえんである。
*
なまじっかジョグなんかしちゃうと
ブログ書くネタがみつからねえ
っていう、なんかね。
*
おれはビルドアップってのが、大すきだ。
アップするひつようねえし
最後がいちばん速くなるので
カタマリ・オブ・ジコマン
で、終えられる。
*
だが最近、一計を案じた。
「一計を案じた」って
言葉の意味はよくしらねえが
なんだか、遣いたかっただけ。
最近、ないアタマを使って考えた。
「おめえはまいんち、快楽を求めて走ってんのか?」と。
ちがうんである。
目標とするレースで快楽を求めたいんであって
日ごろから快楽ばっか味わってたら
それはもう快楽じゃなくって、日常だ。
快楽が快楽じゃ、なくなっちまう。
瀬古選手だって言ってた。
練習をレースのように、レースを練習のように、走れと。
それだけふだん、ちゃんと苦しんどけ。
ってことだと、解釈してる。
ないアタマで。
*
そんなわけで、きょう。
たまに走る仕事帰りのコースUC
アーバンなクロカンを
ビルドアップではなく、走ってみよう。
ないアタマを使ってそう、考えた。
序盤、カラダがあったまってないうちから
それなりのペースで走っちゃう。
早々にキツくなるんだろうし
ビルドアップどころかビルドダウン
って様相を呈しちゃうんだろうケド
そこをいかに粘って家までたどりつき
快楽の虜になるか。
ということをやってみた。
*
3.5km地点。西麻布の交叉点。
ふだんなら
「ここの上り坂から気合いを入れよう」
ってなるところ。
きょうはもう、いっぱいいっぱい。
うっぱいえっぱい、搾ってカンパイ!
という感じ。
残りはまだ15km以上、ある。
西麻布を越えても、まだまだ
渋谷、中目、砧、成城をはじめとして
ヘヴィーなアップダウンがひかえてる。
でもやってみようっておもっちゃったんだから
とりあえず、やってみる。
*
冬の寒い日。
「うっへえ、さびい」ってこう
カラダを固く、まるめるじゃん。
でも、「さぶくねえ」
って開き直ってせすじを伸ばすと
ぜんぜんダイジョーブになるじゃん。
3秒くらい。
そのあと、倍増したさぶさが襲ってくる
のは措いても。
*
「うっへえ、きっちい」っておもったとき
走りかたも「きっちい」になってる。
顔つきも「おれ、全世界のきっちいを背負ってます」
って感じになってんじゃん。
って気づいた。
じゃあ、と。
「ぜんぜん、きっちくねえ」
って、顔をやわらかくして
フォームを建て直してみたら
なぜだかなんだかほんとうに
まだぜんぜんキツくないような気がしてくる。
ペースは順調にビルドダウンしてるものの
なんとか、踏みとどまってる。
*
いよいよ成城の坂を駆け下って
残り2kmちょいってところ。
本格的にキツイ。
ペースも上がらない。
っていうか、極限まで落ちてる。
もう、「~な気がしてくる」
は通用しない。
残り2km。
よしんばキロ5でテキトーに流したとしても
10分もすりゃ、終わる。
*
んだが、熱血! MOTTAINAIお化け参上。
「ここで流しても、きょうはぶじ終わる」
「でも、ここでひと踏ん張りすれば、あすにつながる」
みたいな、いらねえことを考え出す。
*
時勢ってのはそりゃそりゃ
オソロシイもんで。
安い扇動に追随するバカが、いる。
「そうだそうだ! あすにつながるんだぜ!」
「うおおおおおっ!」
ナドト。
*
いくら熱血を発動したとて。
そんなもんテキトーに10分で流したのと
時間は大して変わらないわけで。
カップラーメンのひとつもできあがらない
ささいな差なわけで。
*
「でも、なんか、あすにつなげたほうがいいじゃん」
って、おもっちゃったんである。
っていうかオレ・オブ・崖っぷち。
そうやってつなげてかないと
たちまち完全終了って憂き目に遭う。
ペースはまったくあがらないケド
いまの全力を尽くしましたとさ。
ビルドアップのときとくらべると
カラダが驚くホド動かなくて
すげえジクジ、なんだが
「それでも、あすに、つなげる」
って、妄信しちゃってる。
バッカじゃねえのだが、しようがない。
*
走り終わってからも
ジコマン感はいっさい、なし。
でも、あすにはつながったのかな。
つなげられたんなら、よかったんじゃないすかあ。
って、おもった。
*
「練習をレースのように
レースを練習のように、走る」
レースでそんなことを実現したいなあと
妄想しながら
きょうはそうやって走ってみたんでしたとさ。