ライオンズクラブって、ごぞんじですか?
プロ野球のファンクラブじゃなくって
なんかこう、
公園のベンチとか役所の絵画で
「贈 東京西ライオンズクラブ」
って書いてあるやつ。
*
ロータリークラブ、かもしんない。
が、どっちでもいいので、措く。
あれは何だ?
*
数年前、
「お父さんがライオンズクラブでしたよ」
というひとがいた。
子どものころ、お父上に連れられて
会合だか懇親会だかに行ったことがあると言う。
もう、キョーミしか、わかない。
なになになにそれ?
おれは、食いつかずにはいられなかった。
フリーメイソン的なこう
であるみたいなことを期待しながら。
*
聞いたところでは、けっきょく
よくわからなかった。
その本人も。
「ただ、ウチのお父さん、アベライオンって呼ばれてて」
ひとつわかったのは
メンバーは「苗字ライオンで呼び合う」
ということだけだった。
しーんぱーい、ないさーーーーっ!
*
似たようなのを、聞いたことがある。
上りボッチ。
下りボッチ。
シェー!ボッチ。
鬼瓦権蔵ボッチ。
トリカラボッチ。
ダイダラボッチ。
アッー!
*
地球上のどこかに
ボッチクラブ
という、友愛結社が存在してる
と、聞いたことがある。
*
いや、あのね。
おもしろい書き出しかなって、満を持して
ライオンズクラブまで投入したんだケド
さしたる盛り上がりを見せなかったな。
じぶんのなかで。
ただの「前置き長え」っていう
通常運転になっちった。
*
それは帰ってきて、つかれて寝て
起きたらすっかり真夜中で、
あわててブログを書き出したから。
ということとも無縁、ではなかろう。
いや、なかろうでは、なかろう。
出遅れはこわい、んである。
*
朝7時の集合にそなえて。
5時に目覚ましをかけ、ちゃんと起きた。
仕事場。
皇居から、数百メートル。
集合場所までアップがてら、走ってきゃ、いい。
まあ、数分で着く。
*
ただ、カン違いしてた。
(たぶん)集合場所である、和気清麻呂像。竹橋。
おれの職場、半蔵門。
皇居の周回はキホン、反時計回り。
皇居の周回ベースだと
半蔵門から竹橋まで、3kmぐらいある。
そんな衝撃の事実に気づいたのは、
よゆうをかまして
半蔵門の交叉点を渡ったころのこと。
時刻はちょうど、午前7時。。。
*
竹橋っていえば。
にょうぼうは
「感覚的にだいたい合ってて伝わりさえすりゃ、OK」
っていうひとである。
今年の正月。
おれはテレビで箱根駅伝を観てた。
「箱根駅伝ってどこからスタートするか知ってる?」
にょうぼうが起きてきたので
質問してみた。
「知ってるよ! 箱根でしょ! 違う! それはゴールだ」
「どっかの新聞社だよね。あっ、日テレで中継してるということは」
「わかった! 毎日新聞でしょ! 竹芝!」
もうわかったわかった。
ちょっとずつぜんぶ間違ってるケド
たしかにだいたいは、合ってる。
竹芝桟橋からお船に乗って、
どこへでも行ってくれたまえ。。。
そういう、感覚的。
いちじるしく、どうでもいいな。
*
集合の午前7時。
おれat半蔵門。
和気清麻呂を目指し、
およそアップがてらとはおもえないペースで
走る走る。
。。。
あと500メートルぐらい。
和気清麻呂像が視界に入ってきた。
はるか遠くに
ピンクのTシャツのひとが見えるっ!
みっけ!
スピードをもう一段、上げる。
ほぼ全力。
ところが、無情にも
あと400メートルぐらいのところで
ピンクのTシャツのひとは、
スタートしてった。。。
*
逆に遠ざかる、ピンT。
まじかよー。
「ボッチ練」ってプロレス
みたいなもんじゃないのー!?
「たまたま集まったてい」は
あくまで形式美のもんだいで。
和気あいあいかどうかはともかくとしても
みんなでやろうぜ!
的なもんなんじゃないのー!?
それがオトナのズルさ
ってもんなんじゃないのー!?
ちょっと遅れたぐらいで
そりゃたしかにおれは
遅刻ボッチかもしんないケド
リアルボッチでもあるって、わけー!?
和気~?
*
ほぼ全力で目指してた。
ボッチ練のスタート地点、和気清麻呂。
そのときのおれにとってはゴール地点、和気清麻呂。
数百メートル先とはいえ、
そのまま走りつづけ、
ピンクのTシャツに追いつき、
さらにそのまま、皇居を何周もする。
なんていう気はさらさらなかった。
到着したのは7時10分すぎ。
2周目から合流することにして
とりあえずベンチに座り、
周回の手前のほう、
大手町のほうに目をこらしつづけた。
ピンクのひとが視界に入ったら。
「でっかいピンクのひと」
「ちっちゃいピンクのひと」
を写メしちゃったりすれば、
ブログのネタにもなるよねっ、ふふふ。
「いやあ、すっかりドジこいちゃって、てへっ」
なんてのも、ブログのネタになるかもしれない。
ボッチ練だから、あくまで独りごと
として。
*
ベンチ。
おれの隣には、競馬新聞を読むオジサーン。
風向きで
煙がモロにおれのほうにくるが
すげえうまそうにタバコを吸ってる。
どうせ30分ぐらい待つんだろうし
「1本もらっていいすか?」
「キミ、そんな走る格好して、タバコ吸うのかい!?」
「てへっ」
なあんてことをきっかけに
おしゃべりでもして時間つぶすかな。
まあ当然、超絶人見知りがそんなこと
できるわけない。
*
なあんてことを妄想して
にやにやしながら
大手町方面に目をこらしてると。
「エクスキューズミー、チョトイイデスカー?」
ジンガイの美女ガーが声をかけてきた。
どうやら。
上の写真とおんなじようなアングルで
写真を撮ってくれって言ってるようだ。
いやいやいや。
写真を撮ってくれってていの
新手のナンパかもしれない。
オトナのズルさ。
悪くない。
「オーケーオーケー、エニシングオーケー」
なんて言いながら
写真を撮ってあげることにした。
*
この美女ガー。
小羊ちゃんのマスクをかぶったおれオオカミ
もとい、おれライオン
もとい、おれボッチ
を、すっかり信用してるようだ。
調子に乗って、いろんなポーズをしてくる。
ワンモア、ワンモアうるせえよ。
でもまあ、時間つぶせるし、いいかな。
どうせあと、20分ぐらい待つんだろうし。
チラチラ大手町方面に、目をこらしつつ。
*
美女ガーの数ポーズをキメてやった直後。
「いやあ、すんません。
初めてのランステだったんで
すっかり迷っちゃいました~。
ところでいまのひとも、ぼっち練すか?
そんなわけないですよね」
予期せぬ方向から
ピンTぼっち、登場。
つづく。