「アタシ、じぶんというものをもってますんで」
とは、対極にある。
で、おなじみのおれなんだが、
オトモダチ、身内、同期、後輩以外には敬語。
ということだけは、気を付けてる。
敬語ったって、「~ッスよね」などと。
ある意味、ていねいなタメ語より相手を不快にさせる言葉の使い手。
であることは、さておいて。
*
こないだ、
経験があるからって年度初めに手を挙げて
最初の集いにいったら、くじ引きで委員長になっちまって、おおわらわ。
しかも、くじ引きを提案したのはおれなんだがな、
しかも、それはおれの誕生日だったんだがな、な
PTAの広報委員のみなさんでウタゲをした。
「経験があるからって」から
「な、な」までの3行は、はぶいてもさしつかえない。
*
ウタゲは、要約すっと、
「おれ以外のオトナはみんな女性」。
「女性」のルビは「ママさん」で。
まあ、へヴィーなハーレム状態。
うひょーって言っときゃ、みんな丸く収まりますよね。
ですよねっ!
要約になってねえうえに、
「『女性』の」
から
「ビックリクラメーションマーク」までは、
はぶいてもさしつかえない。。。
ノリだけで悪意はまったくないのに、
はぶいてもさしつかえない部分、
悪意のカタマリにしか見えねえな。。。
*
みんないい感じでいい気分になったころ、
あるレディーが、
「どうしてキクチさんは、いつまでも敬語なの?」と。
あえてレディーと言い換え。は、
はぶいてもさしつかえない。
あるいは「女性」のルビが、
もともと「レディー」。
*
おれは酩酊の淵をさまよいながら、冒頭のような答えをかえした。
じぶんにとって、当然のこととして。
そして同時に、その「じぶんにとって当然のこと」に、
疑問符をつけてみた。
*
そもそもどうして、オトモダチと~以外は敬語なのかっていうと、
仕事でかかわる人たちに対して線引きをするため。
この仕事は、
っていうほど、おれのしている仕事に限定されたことがらではないんだケド、
キホン、外のいろんな人たちといっしょにコトを進めてく。
もう何年もいっしょにやっててプライベートでも仲良くさせてもらってる人もいる。
ずっと齢下なライターさんやデザイナーさん、イラストレーターさんや編集さんも、いる。
いるというより、だんだんそっちが多数派になってきた。
サッコン。
*
でもキホン、敬語。
「オトモダチじゃねえんだよ」
と、むしろじぶんにたいする線引き。
逆にいえば、
変にオトモダチみたいなことになったら、
言うべきことを言えなくなったり、
なあなあで済ましたりしちゃうかもしれない。
それは総合トータル包括的にみて、ヤバいじゃん。
という、むしろじぶんにたいする線引き。
あるいは齢下の人とか、これからの人に対して、
齢は下だけど、「仕事のパートナー」という意味では、対等でしょ。
齢という1点だけをロンキョに対等関係崩すのは、アンフェアでしょ。
という、じぶんにたいするイマシメ。
実際、年齢にかかわらず、おれより優秀な人はゴマンといるし。
*
ところが。
と、本筋に戻す。
そのママさんレディーの言うことも、一理ある。
線を引くということは、距離を縮めまいとかたくなになってる
というようにも映る。
かもしれない。
*
たしかに。
今年は、期せずして親戚と会う機会が多かった。
ひさびさに会った伯父伯母にあいさつをすると、
「元気ですか?」
「ヒロシさん、立派になりましたね」
と言われることがあった。
子どものころは、よゆうで
「ヒロシくん、大きくなったねえ」だったのに、
いきなりよそよそしく
「ヒロシさん、立派になりましたね」
と、さん付けなうえに、ですます。
大いに戸惑った。
伯父伯母に悪気がないのは承知のうえで、
子どものころの、あの遠い日の花火な感じが、
真っ向からなかったことにされちゃったような、
さびしい気持ちになったりもした。
それと似たような感じ。
なのかもしれない。
*
あ、前提を言うの忘れた。
おれはそういうような考えでタメグチを利かないが、
タメグチを利かれる、にかんしては、さほど抵抗はない。
さすがに
「(先方が)テンパると、とたんにタメグチを利きだしやがる」ケースは、
別にオメエとはオトモダチじゃねえし、って言うケド。
もちろん、心のなかで。ダケド。
*
あまつさえ、PTA。
そもそも、仕事じゃねえ。
「地元の人たちと仲よくなろうじゃねえか」なんだから、
線を引く必然性はたぶん、ない。
たしかに。
*
でも、1回飲んだからっていきなりタメグチになったらそれこそ、
「ナンナンダオマエハ!」、だ。
もしくは、
禁断の、「モシカシテアタシニ気ガアンノ? at PTA」だ。
はたまた、
「1回やった(飲った)ぐらいで、じぶんのオンナ扱いしないでくれる?」だ。
妄想天国が炸裂、だ。
*
線を引く「タメグチは利かない」もあれば、
距離を縮める「タメグチを利く」も、ある。
線を引かない「タメグチを利く」もあれば、
ひつよう以上に距離を縮めない「タメグチを利かない」も、たぶんある。
なにも考えず「敬語かタメグチか、認識すらしてない」だって、きっとあっていい。
*
妄想しすぎて力尽きちゃった。
結論が、か弱いゼ!