特に目的もなく、フラッと立ち寄った本屋で見つけた。
タイトルは「検定」を前面に出しているが、中身は大百科的。
どの時代に寄るでもなく、どのネタに寄るでもない。
実はこういうの、ありそうであんまりなかった。
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そもそも論、なんだが。
高校野球モノって、(高校野球にかぎらずなんだけど、とくに趣味モノって)
つくる人にその題材に人並みならない思い入れがあるはず。
それゆえ、思い入れを超前面に押し出したり、
トレンドに沿った受けのいいトピックを
盛り込んだりするものがほとんど。
たとえば
夏になると年中行事のように発行される、池田高校モノとかKKモノ。
花巻東のナントカクンが160キロ出したとかいう時事ネタ。
それはそれで別にいいんだけど、
ときとして押しつけがましかったり、
いわくいいがたいリズムのズレを感じてしまうこともある。
のは、おれだけかもしれないが、まあいい。
おれはおれで、年中行事的なモノ、
好きか嫌いかって訊かれたら、まあ大好物だし。
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この本は一見、思い入れがうかがえない。
幅広いトピックを、フラットに取り上げている。
そんな意味で、くりかえすが大百科的。
かといって、思い入れがないはずはない。
というのは、
都道府県ページの本文を見れば、一目瞭然。
あえて感情を押し殺してる、圧力みたいなものが全体からプンプンかぎとれる。
そんな抑制ぶりが、逆にすごく題材を大切に扱っているんだな、
とわかる。
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ほめすぎ。
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実は。
きょうから甲子園もはじまったことだし、
このブログで極私的な高校野球語りをやろうと、企てていた。
1エントリー1都道府県とか、1エントリー1年とかで。
そしたらこの本を見つけてしまったので、ちょっと萎えかけている。
目次はこんな感じ(↓)。
キーワードをデータと長めの本文で紹介、という構成。カッコ内はおれ補足。
第1章 歴史編
(概要/戦前・戦中/1950~60年代/70年代、以降、2見開き1トピックで10年ごと)
第2章 ドラマ編
(人、学校、できごと。板東英二/江川卓/池田高校/KKコンビ など11トピック)
第3章 記録編
(出場回数/優勝/連覇/監督 など8トピック)
第4章 強豪校編
(歴代の勝利数順に26校を紹介。勝利数の欄に歴代と00年以降のランキングが2つ載っているところが超秀逸)
第5章 大会編
(出場枠/21世紀枠/大会運営/高野連 など10トピック)
第6章 カルチャー編
(ユニフォーム/球児のおしゃれ/キャッチフレーズ/旋風 など8トピック)
第7章 キャリア編
(ドラフト/入団拒否/高卒ルーキー)
第8章 都道府県編
(49地区を1ページずつ、4つのコラムで紹介。コラムは「本命」「古豪」とかそういうの)
7章はなくてもいいんじゃないかな。
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冒頭でもいったが、「検定」はオマケ程度。
巻末に本編を踏まえた例題が50問あるだけ。
それも、読む前におれがやってみて1問だけわからなかった
程度の、ホドホドな難易度。
間違えたのは、コレ。
問14 この中で春夏通算出場回数が30回に満たない高校をひとつ選べ答えは本を買うなり、立ち読みするなり、ネットで調べるなり、ご自由に。
1)日大三 2)龍谷大平安 3)徳島商 4)横浜