キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

面白いと、読みやすいは、違うんだよ?


小島慶子のラジオで、誰かがすすめていた作品。
とにかく、圧倒的にバカバカしい。


これ、島本和彦の自伝なんだろうか。
まだこの巻しか読んでいないのだが、
見返しを開いたしゅんかんにページいっぱいにデカデカと

この物語はフィクションである。

とある。
もうこの時点でなんか、ウキウキさせられる。


主人公はマンガ家志望の美大生ホノオ。
設定は70年代後半。
ホノオはやたらオーバーアクション。

「青春のイタさってこんな感じだよね。本人は大マジだけど」
を地でいく感じ。

同時代に世間に出だしたマンガ家に、
ホノオは勝手にライバル心を燃やしている。

が、自分は一度、東京の出版社に持ち込んだものの
ケンモホロロ。
それ以来、一枚も書いてない。

という状態。



そんなとき、週刊少年サンデーを開いて、
出てきたのが、原秀則。

ここから、ホノオの言葉を借りて、原秀則を叩きまくる。
表題はそのうちの1つ。

確かにこの人の作品は・・
読みやすい!

マイナスポイントがないんだよ!
絵が見やすい!!

ひとりよがりなセリフがない!!
だから難しくない!!

スッキリとした読後感!

新人によくある
偉そうな毒みたいなものも感じない、
しかし!!

マイナスポイントはないけど・・
内容もないんだよ!!

ドッカーン。
さらに、『さよなら三角』という作品に触れて……

さよなら・・三角!
さよなら三角!!

くうっ、
またこいつは・・・

上手く心にひっかかって気になるいいタイトルを・・・

やられた!
上手く持っていかれた!

一見 漫画に内容がなくても・・・
「実は深く考えてるんだよ」的に読者をリードする思わせっぷり!!

(中略。中身をみて)

やっ、やはり・・・
新人なのに無駄ゴマの連発!!

これといった内容がやはりない!!!

さよならっぽくて、
三角(関係)っぽいが・・・

それだけだっ、これは!!

これは人気が出るぞ!!
なんとかしないと!

小学館め・・・
原秀則なんかを週刊にもってきやがって・・・

叩きつぶすしかない!

こいつが大きくなる前になんとかしないと!!

バカバカしすぎるが、確かに一理ある。


この作品内で、前にあだち充にも言及したらしい。

おれはある時点で、あだち充作品にひとつの悟りを開いた。
「何かとんでもないことが起きそうなときは、何も起きない」
ということだ。

スケバンが木根を好きになり、あきらめさせるために
1人の女の子を「実は木根のカレシ」として
直談判にいき、不良に囲まれる
というシーンで1話が終わる。

え、どうなるの? とおもいきや
その次の話では、スケバンが意外に純情で、
泣き崩れてことなきを得る、とか。


かとおもえば、
いきなりひかりのお母さんが死んじゃったりする
といった押し引きが、あだち充作品の面白さのひとつ
だとおもうんだけど。

記憶があやふやだが、
一週間後、予定通りオフクロは退院し・・・

ひかりのお母さんは亡くなった
のガーン感はハンパない。
なんでたとえが全部『H2』なのかは、知らん。


さて、アオイホノオに戻ると、
この一連の原秀則祭に対する、原秀則の反応が超秀逸。

アオイオワビノシナ(2011/11/16)

このエントリーの前後の
島本作品に関するエントリーも、むちゃくちゃおもろい。

原秀則オフィシャルブログ「そぉ~っとブログ始めました。」

いいオトナのいい関係、ですな。