その1の続き。
制限時間2時間10分はちとキツイ
と気づいたのは、スタートまで30分もないころ。
とりあえず、競技場に下りて、スタートした。 ====
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「駒沢から二子玉川まで246を走れる」
というから、おおすげえとおもってたんだが、
走れたのは1車線だけ。
そりゃそうだよな。
天下の246。日曜の午前中だもの。
さて、
おれはどうしても、車道も含めた数車線の、
なるべく真ん中のほうが走りやすい。
だからつくばマラソンの復路みたいに、
車道との境目に置いてある三角コーンを
たまには縫うようにして走ってしまう。
車道を走ってるドライバーからしたら、ホントジャマくさいんだろな
とおもう。わかってる。
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事前に聞いていたとおり、二子玉川の坂を下るまではあっという間。
ふだん、クルマでしか通らないところを
生身の肉体(ってなんなんだこの言い方は)で通ると、
なんだか不思議な感覚になる。
環八と246の立体交差とか。
二子玉川から多摩川に出ると、
ザッツ・ウチの庭的コース。
。。。
あっ、こんなことツラツラ書いててもつまんねえな。
テーマを3つに絞る。
1 全体的なペースのつくり方
(つまり、自慢話)
2 ターゲットさがし
(つまり、チャンネーのケツさがし)
3 コースの注意点
(不動坂に警戒してたけど、おれはむしろ最終盤の下って上るとこがつらかったぜとか、
駒沢公園入ってからが長いの長くないのってもう、とか)
これでどうだ!
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1 全体的なペースのつくり方(つまり、自慢話)
これはまったくの結果オーライ。
序盤から、想定した1kmペースより30秒も速く推移した。
ほんとはこういうことしちゃいけないんだとおもう。
でも、「ハーフぐらいなら行けるとこまで行っちゃおう」
と、あえてペースを落とさなかったし、
そんなに速いペースだとも感じなかった。
アドレナリンって、すげえ。
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あとで触れるけど、
何しろ15kmぐらいからの不動坂がオニだっていうんで、
そこまでいかに余裕でいくかを考えていた。
例によって、序盤は
「オレサマちゃんがこんなヤツごときには負けないだろう」
みたいな人にもがんがん抜かれていくのを
グッとガマンする感じ。
その代わり、多摩川沿いを離れてからは
追い抜いた人数を数えながら走った。
不動坂だけで40人ぐらい抜いたと思う。
15km過ぎからラスト2kmぐらいまでに、
106人抜いたことは覚えている。
駒沢公園に入ってしばらく走っていると
斜め前に「伊藤国光」っていうゼッケンの人。
えーっ、昔のアナウンサーみたいに声が異常にキレイな
あの、伊藤国光?
とテンションが上がっているうちに、
あとは何人抜いたか覚えてない。
という106&伊藤国光にかんする自慢話。
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2 ターゲットさがし(つまり、チャンネーのケツさがし)
多摩川に出たのがたぶん5kmすぎ。
そこから10kmぐらい、川沿いのコース。
人も少しずつばらけはじめる。
さてと、どうやって走ろうかな。
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そこに、おれをゆるゆると抜いていく、
つまりおれよりほんのちょっとだけペースの早いチャンネー。
興味本位でついていってみる。
3m前。適度に視線を落とすと、
ちょうどチャンネーのケツあたりに定まる。
ケツがどうのではない。
いいペースメーカーになりそうだから、仕方がないのだ。
ケツは、たまたまついてきただけなのだ。
ケツがあるから、おれがいるのではない。
おれがいて、ケツもある。
んである。
。。。
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やがてそのチャンネーは、なんだかテンションが上がってきたらしく、
わりと人を縫うように走りはじめた。
おれはピッタリ3mあとをついていく。
ストーカーってやったことないからわからんが、
あんがい楽しいのかもしれないね。
なんて考えたりする。
そのチャンネーは、ヘッドフォンに爆音という、
かんぜんに自分の世界に入っちゃってる感じだったから、
よもや、37のジジイに5kmあまりもケツをみられ続けてるなんて
おもってないだろう。
よくわからん「秘めたる感」みたいなので
おれのテンションもぐんぐんあがる。
とりとめがなくなってきたけど、
「誰かをターゲットにすると走りやすいよね」
ってハナシ。
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世田谷246ハーフで、おれは
「オンナを3人とっかえひっかえ」した。
「お、いいケツ!」、もとい、
「うしろについたら走りやすそうだ」とおもっても、
上の爆音チャンネーみたいに
いきなりジグザグ人を縫いだしたり、
しばらく行ったら、自分とはやっぱりペースが合わない
なんてこともある。
そんなときはチェンジ、しちゃえばいい。
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3 コースの注意点
(不動坂に警戒してたけど、おれはむしろ最終盤の下って上るとこがつらかったぜとか、
駒沢公園入ってからが長いの長くないのってもう、とか)
もうそのとおり。
当初から不動坂からがんばろうとおもっていたのだけど、
実は覚悟していた坂、というのはさほどキツくない。
あまつさえ、
最近とんとやってないが、
仕事場から家に帰るコースだと、
上りも下りも、不動坂レベルなんてふつうにある。
多少なりとも坂に慣れておいたのが、
よかったのかもしれない。
自分では意識して練習していたわけではないけど、
「坂をふだんから走っておくといいよ」
というのは、実感としていえるかもしれない。
急な上りだけでなく、急な下り、
急なだけでなく、ゆるくだらだら続くやつも、などと。
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でも、予期していないときの坂は、
ちょっとしたやつでもキツい。
というのが、競技場に着く2kmぐらい前の坂。
坂っていうか、多めの傾斜という感じ。
坂はもう上り終えた、あとちょっと、早く競技場みえねえかなあ、
そんな気持ちでいっぱいのときに、
目の前に谷がみえる。
「下って上るんなら、最初から平らのままでいいじゃん」
などと、お子さまみたいなことを言いたくなる。
そんくらいの疲労度&早くゴールしたい度。
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しかも公園に入ってから、競技場の入口の横をとおって、
まだ2kmぐらい走る。
頭では「ぜんぶで21キロちょっとだから、あと何キロ」
ってわかってるつもりだけど、
公園の中の競技場がゴール、しかももう公園に入った
となったら、
「ゴールはまだか~」
ってなる。
便意がきわまったとき、
目指すべきはトイレについて、パンツを下げて、便座についたとき、
であって、
トイレが見えた瞬間、「おお、神よ~」
なんて安堵しちゃったら、
そこから「漏らさない」モチベーションを保つのって、
けっこうキツイよねえ。
と、近似値。