走りたくて走ってるんである
目からウロコが落ちた本。
自転車とのクロストレーニングというのは効果的かもしれない。
急にチャリがほしくなった。
フォームやシューズ選び、日誌のつけ方もベンキョーになる。
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たとえばシューズ選び。
「一般的に
練習用にクッション性の高い(重量な)もの、
レースで(スピードが出る)軽量なものを選ぶが、
練習=鍛錬、レース=体力の浪費を極力抑える、
の観点からすると逆じゃなかろうか」
ほうほう。
著者は筑波大の研究員ということもあって、
「LSDは必要ない」とか
もくじをみて「トンデモ理論か?」とおもわされる項目でも、
読んでみるとしっかりデータに基づいていたり、
話の筋は通っていたりする。
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本のなかで、現在の日本のマラソン界の低迷にも触れていて、
育成方法とかシステムにけっこうモノ申している。
正直、「じゃあアンタがコーチすりゃいいじゃん」ともおもうが、
そんなもんそもそも
研究者に「オマエガヤッテミロ」ということ自体、ヤボなんだろう。
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この本はタイトルのとおり、トレーニングの効率化がメーンテーマ。
くり返しになるが、目からウロコが落ちる部分も多い。
ただ、内容のレベルはちと高すぎるんじゃないか?
想定読者を「サブフォーを目指す人」としているが、
サブ3.5を果たして、今後サブスリーを視野に入れようか、
ぐらいな人向けに感じられる。
サブフォーを果たしたくて、サブ3.5を視野に入れる身分になりたい
おれが言うんだから、間違いない。
たぶん。
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さて。
この本とは関係あるんだかないんだか、なんだが、
前々からおもっていたことがある。
趣味に効率なんか求めてどーすんの? だ。
実は今年に入って一度も練習場にさえ行ってないんだけどさあ、
でおなじみのゴルフ。
2年ぐらい前にはうまくなりたくて、
練習場に通いつめたり、書籍や雑誌を読み漁っていた。
本屋をうろついてるとありがちなのが、
「練習しないで100を切る」
「イメトレだけでパターがみるみる上手くなる」
のたぐい。
(冒頭の本は、
「ケニア人選手よか練習で走る距離が長いのに、なんで日本のマラソンは弱いの?」みたいに
「日本人は必要以上に走行距離を問いすぎ」から発してるので、
上記のような単なる効率化トンデモ系とは明らかに異なる
てのは、わかってますって。
というエクスキューズが長すぎる、
てのもわかってますって)
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「接待ゴルフでメーワクをかけないように、一刻も早くうまくならないといけない」
「フルマラソン本番まで1ヶ月。○時間以内に走れなかったらボーズになるとか言っちゃったケド。。。」
「毎月第4日曜の朝7時に、村の娘が生贄として連れてかれる」
とかの事情なら、
魔法のような効果が出る方法を求めるのも仕方がない。
でも、
「練習もせずにいきなり80を切れちゃうようなゴルフ」とか
「月に50キロしか練習しないでも2時間台で走れちゃうマラソン」なんか、
やってて楽しいんだろーか?
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いやむしろ、
これ、おれだけかもしれないが、
練習こそが楽しいんである。
平日なのに早起きして練習場でハーフスイングを繰り返したり、
休みなのに7時から午前中をつぶして延々と走ってるのが
面白くてたまらないんである。
こちとら、走りたくて走ってるんである。
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もちろん、速くなりたい。
「次のフルマラソンは4時間を切りたい」とか
「大学の駅伝部の人たちみたいに、バカみたいな速いペースで走り続けられたらいいなあ」
とおもう。
正直、速くなるために走ってる。
と言っていい。
でも、だからといって、
明日の朝いきなり、とんでもなく速くなってたとしても、全然うれしくない。
試行錯誤しながら、カラダの使い方をひらめいたり、
関係ない仕事やチャンネーのことを考えたり、
ヒザやタマキンやビーチクが痛くなって、その対策がバッチリはまったり、
「おれちょっと長く走れるようになってね?」と実感できたり、
そんなことを繰り返しながらであれば、速くなってあげてもいいゼ。
ぐらいのツンデレ。
速くなるために走ってるのは確かなんだが、
速くなるためだけに走ってるわけではない。
走りたくて走ってるんである。
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