先週の金曜日、地震が起きたとき、取材の真っ最中だった。
子どものころ避難訓練とかしてたのに、
実際には机の下にもぐることもせず、ただ硬直して立ちつくすばかりだった。
幸い、取材場所が事務所から近かったので事務所に戻り、
娘を保育園に迎えに、16時ごろ家に向かって歩き出した。
総括するにはまだ早すぎるが、
みんな他人に対して驚くほどやさしいとおもった。
歩いて家に帰るときも、土曜に電車で仕事に出てくるときも、
今朝、自転車で仕事に出てくるときも、
自分さえよけりゃいい、みたいな人はほとんどいなかった。
驚くほど譲り合うし、気遣いをする。
これはニッポンジンとして誇るべきことだとおもう。
以下は自戒も込めてなんだが。
今いちばんキツイのは、被災者。
避難生活を余儀なくされている人々や、
知り合いのゆくえがつかめない人、
またゆくえがつかまれていない人なのは間違いない。
ただ、そういう人と自分をくらべて
「自分は何もできていない」「もっと頑張んなくちゃいけない」
などと考えすぎて、
心身のバランスを崩してしまう人がけっこういるという。
それだけは避けなくてはいけない。
おれは今、最高潮に仕事が忙しい。
先週からあまり家に帰れないぐらい、忙しい。
でもそんなのは、いま世間で起きている一大事からすればほんの些細なことだ。
仕事の手を少し休めると、
被災者のために何ひとつしていないジレンマに襲われる。
自分について考え、自分がしている仕事について考える。
なんの意味があるんだろう、と。
きのう雀の涙ほどの募金をしに行ったが、
そんなもんで力になれているとはとうていおもえない。
宮城にいる親戚とまだ連絡がとれていない。
おれの結婚式のときに親族代表のスピーチをしてくれた
やさしい伯父とその家族だ。
ほんとうなら、被災地に飛んでいきたい。
が、現実的には難しい。。。
おっと。ここで思考停止。
これ以上、自分を追い込むと劣等感やらで自分自身を押しつぶしてしまう。
悲しいけど
現実的に自分ができるのは、とりあえず仕事を進めることだ。
てな具合で、
自分の非力さ無力さを飲みこみつつ仕事を進める。
それがけしていいことだとはおもってはいない。