ガキのころはまずい、いらないとおもっていたのに、
オトナになると美味さがわかるもの
というのがある。
刺身につけるワサビ、おでんのカラシ、塩辛、セロリスティック。
そんなたぐい。
妻子が横でプリンをつくっている。
バニラエッセンスを投入。
ん?
ひょっとして、ガキのころ、
親が外出したすきに舐めたときは苦かったが、
あれはガキだから苦い、マズイと感じただけであって
あんがい、オトナの味なだけなのかもしれない。
そうおもったらもう、いてもたってもいられず、
「ちょっと父さんにバニラエッセンスを貸してくれないか?」
娘の制止を振り切り、指先に1滴落とし、舐める。
むむ、やっぱり苦い。。。