ベストを「尽くす」
夏まっさかりだというのに、
そういえば今年は、甲子園の高校野球のことを書いていない。
端的にいうと、今年は何年かぶりにおもしろく感じられないんである。
もちろん、できるかぎりつぶさに観てますよ。
この本は、1、2年前に「Number」で出た別冊の再編集モノ。
その別冊もアタリマエのように持っているので
じっさい、ネタ的に目新しいことはひとつもない。
手持ちのネタを編みなおせば、経費はかぎりなく浮く。
そこはかとなく見え隠れする、出版不況の苦肉の策。
いや、でもこれがおもしろいのだ。
グラフ誌から文庫というていにしただけで、
言葉のひとつひとつが新しい輝きを放つ。
さて。
表題は桑田真澄のひと言。
桑田は(と、あえて呼び捨て)最近、メディアに登場しては、
ひんぱんにこの言葉を遣う。
息子さんが高校3年生で野球をやっているが、
「結果を出すことは大事だけど、ベストを尽くすことがもっと大事」
みたいなことを言っていた。
主宰している少年野球チームでも、子どもに同じことを言う。
何度も耳にすりゃ、あらためて考えますわ。
ベストを「尽くす」。
尽くす、つまりやり切るんです。
やってみて結果がダメでも、それでいいじゃないか。
なんだけど、とりあえずやってみるのではない。
精いっぱいやる。
だからこそ、結果がダメだとしてもある種の納得ができる。
ふだん、どれだけほんとうに「尽くして」いるか。
自分の胸に手を当てていぶかしがってみる、そんなお盆ならでは。