キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

正直いって負ける気はしなかった


本棚を整理してて、つい読みはじめた。
いま、ボディーしか打てなくなってるあたり。

お盆て感じだ。
表題はゴロマキ権藤のひと言。

力石が死んだあと、ジョーはあてどなくさまよう。
そんなある日、かつて死闘をくり広げたウルフ金串を見かける。
ジョーにアゴを砕かれ、引退を余儀なくされたウルフは、ヤクザの用心棒に身を落としていた。

チンピラ同士が小競り合いになると、ウルフセンセイ登場。
自慢のボクシングで相手を倒しまくり、意気揚々と「純喫茶」へ。

むかし話をしていると、さっき倒したチンピラがケンカのプロ・ゴロマキ権藤を連れて復讐にやってくる。
ゴロマキ権藤はウルフのアゴに蹴りを入れ、戦意喪失したウルフをボッコボコにやっつける。

たまらずジョーが制止に入る。

ここで表題。
権藤いわく
「やつの目はくさっていやがった」
「過去のはなやかなおもいでをふりかえることしか知らねえ
つまらねえ目をしていやがった」
「あの目を見て・・・やつには負けねえとふんだのさ」

ここでジョーがキレて、権藤をボコボコにする。
「気にいらねえな」
「はっきり勝てるとわかった相手をなぜあれほどまでにたたきのめさなけりゃならなかったんだ」
と。

ウルフ金串、力石、カーロス・リベラと
ジョーはつねに自分より大きい相手に挑んでいった。
戦う前から勝てるとわかってる相手は1人もいない。

勝つにしろ負けるにしろ、それらの戦いをとおして
ジョーはものごとの本質にせまる悟りを開いていく。
といったら美化しすぎか。

このウルフや権藤との出会いをとおして、ジョーはふたたびボクシングをやろうとおもい立つ。

ゴロマキ権藤。
彼は後半、ジョーの野生をおもいださせるスイッチ役として、ふたたび登場する。

彼をみるにつけ、『タッチ』の原田をおもいだす。
原田はボクシング部だったが、そのつながりは関係ない。
おそらく。

力石後、カーロス以前のついつい読み飛ばす停滞期。
でもジョーはこうやって、ちゃあんと大切な人と出会ってるんだな。