クリーニング屋さんがエスパーじみてる
つうお話。
クリーニング屋にスーツを出した。
オレにとってスーツを着るなんて
「休みの日はポロシャツ着て、襟なんか立てちゃうよん」
そーゆー、ゴルフ場にいるオジサンくらい
スペシャルなこと。
ましてや、そのスーツをクリーニングに出す。
「ありえないくらい」なんだが、じゅうぶんありうる。
「ありえない」って「ない」っていえばいいのに、
なんだか「のはんたいのはんたい」みたいだ。
セリエA(アー)のACミラン(エーシーみらん)ぐらい釈然としない。
イタリア語にしたいの? 英語にしたいの?
まあいい。つうか、どーでもいい。
スーツ着りゃ、そりゃ洗濯にも出しますさ。
いちお、五七五なんだがこれも、まあいい。
クリーニング屋でスーツの上下を出し、
金を払う。
店員さんは伝票をつける。
店員さん「お名前と電話番号を」
オレ「キクチと申します。デンワは4649-4649です」
店員さん「キクチさんのイケはサンズイのほうですか?」
オレ「はい」
。。。
およそ3秒の沈黙。もうガマンできん。
おそらく50代であろう
女性の店員さんにコクっちまうしかねえ。
オレ「イケったら、サンズイっすよね、おそらく。。。」
と、ここで
オレは、おのれが犯した重大な過ちに気づいた。
ツッコミが間違ってるんである。
ちがくて~、なんである。
そんなニホンゴ、ないんである。
ぶっとばしたいくらいなんである。
「なんでボクのキクチのチがイケってわかったんですか」
が正。
たぶん、たぶんなんだけど、
おれがちゃあんと正しいツッコミをしていたら、
店員さんことエスパーはオレの目を見て、
ニヤッとほほえんだんであろう。
そして、昼間にもかかわらず、手に手をとって
夜の街に消えていったんだろう。
ああ、くだんねえ。