まだ本の発売前だったので、書くのを控えていたら、すっかり忘れていた。
棋士の羽生善治さんと海洋冒険家の白石康次郎さんとの対談集。
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絶対的な善し悪しではなく、感じ方や価値観のもんだい。
根本的な部分がそもそも違うのだから、
いくら「自分のなかでの超正論」をふりかざして
相手を納得させようとしてもムリ。
朝青龍しかり、スノボ少年しかり。
スノボもんだいももう時代遅れぽいが、
わざと沈黙していた。いちおうね。
松井5敬遠しかり。
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こんなことを言うと大仰だが、
オレの一生の仕事の1つは、
「松井5敬遠の是非」
を自分のなかでハッキリさせることだとおもってる。
是=ルールに反しているわけではないからいい。
非=高校野球ではない。スポーツではない。
じっさいにはリアルタイムのころから「非」寄りで、
必死に「是」の材料を探している。
というか、
「是」に寄ってもいいんだけど、
どうもしっくりこないから「非」、
というやや消極的な意味で。
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表題は、
なんとなくおもっていた“積極的に「非」である”
をうまく言い表してくれた言葉。
繰り返すが、善し悪しじゃなく、
感じ方や価値観のもんだい。
白石 本当に将棋で勝とうと思えばね、僕だったら、羽生さんはもともと頭脳はいいんだからフィジカルトレーニングをして、それをサポートするチームを作って、コンピュータを駆使して。そうすれば圧倒的に勝てるんじゃないかと。
羽生 そうかもしれないですね。ただ、ルールということじゃなくて、感じ方としてそういうことをやるのにちょっと後ろめたさがあるんですね。やはり日本人って正々堂々と、それこそ武士道じゃないですけど、卑怯なことはやるなという、そういうところはかなりあるような気がしますね。将棋でも、こんなことまでして勝ちたいのかとか。