「クレヨンしんちゃん」を「クレしん」て略す。
これって世間で一般的なことなんだろーか?
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なんでも略しゃいいってもんじゃない。
だいいち、センスがない。
就活、婚活、朝活ぐらい。
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略すって。
底抜けのくだらなさが根っこにないといけない。
と、考える。
バーベキューをBBQ。
後味をATAG
って言っちゃう、くだらなさ。
いい意味での救いのなさ。
これこそが流儀じゃなかろうか。
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上記「ナニ活」はおそらく、
当事者が背水の陣を敷くぐらいシビアな状態。
そのシビアさを
「略語で記号化してちょろまかしてしまえ」
って打算が見える。
「それを楽しむのがオトナなんですよ」
と説教されている感じ。
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あるいは。
底抜けのくだらなさ、
とはあくまで客観的な評価で、本人はクソまじめ。
そのギャップでくだらなさが増幅される、
ということもある。
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そこもひっくるめると、
「ビフテキ」なんてクオリティーが高い。
略さず「ビーフ・ステーキ」だと、
格式というか
「なんたって牛ですよ~」
という敷居の高さが見え隠れする。
かといって、「ステーキ」だと、
もう一声、盛り上がりがほしい。
ビフテキ。
「きょうはなんと牛ですよ~」
のスペシャル感は生かしたまま、
ワクワクできる。
なんたって、
音引き(伸ばす棒ね)を全削除しちゃう、
キザったらしい鼻のつき方が
ほどよく心地いい。
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クレヨンしんちゃんは、
9文字(8音)とやや長いものの、
こうやって無理に略すと
ムリさが立ってしまう。
略さなくていい。
百歩ゆずって「しんちゃん」。
「略すもんだい」今後も出てくるだろうから、
また、そのときにでも。